5.3 WED 15:40-16:20 VIVA! STAGE
フレデリック

中毒者続出! 脱出困難!
底なしの「フレデリック沼」へようこそ

フレデリックのライヴは楽しい。だけど、ちょっと怖くもある。それは彼らの中毒性の強い楽曲のせい。あのギターリフに、歌詞に、振り付けに、がっつり毒が盛られているのだ。日常生活でも彼らの楽曲がふと頭に浮かんでしばらく離れなくなった、なんて経験をしたことがある人も多いはず。しかし言い換えると、それはフェスという場で強力な武器になるということ。VIVA! STAGEの前には、そんな「フレデリック沼」に自らハマりに来た観客の興奮で賑わっていた。

注目の1曲目は“オンリーワンダー”。三原康司(B&Cho)が奏でるブリブリなベースライン、硬質なドラムビート、クセになる赤頭のギターリフ、そしてストレートに鼓膜に突き刺さる三原健司のヴォーカル。「これぞフレデリック!」な1曲でオーディエンスの脳内麻薬はさっそくドバドバ。

“KITAKU BEATS”に続く“ナイトステップ”はフレデリック流ディスコチューン。とは言うものの、ダンスミュージック的に解釈する気にはなれない。確かに反復する中毒フレーズにはそういった要素もあるけれど、彼らの演奏にはもっと体の奥底を乱暴に揺さぶってくるような生々しさや野性、つまりロック魂を感じるのだ。

MC後に披露されたのは新曲“かなしいうれしい”。<かなしいかなしい><うれしいうれしい>と彼らお得意の反復フレーズこそあれど、ちょっと歌モノに寄ってるし、これはそこまでクセにはならないかも……なーんて思っていると、中盤の変拍子がいいフックになっていたり、特徴あるシーケンスが耳にこびりついて、結局いつものようにしっかりフレデリックなのだった。

さあ、後半は“リリリピート”~“オワラセナイト”~“オドループ”の地獄の3連発だ。このエリアに来るたびに「マジで意味不明だなぁ」と思いながら見上げている奇妙な人型のオブジェも彼らが用意したセットのように思えるほどに、アッパーでドラッギーな空気がVIVA! STAGEを満たしていたのである。

最後は<踊ってないビバラ知らない 踊ってないビバラ気に入らない>というビバラらしい“オドループ”の替え歌で頂点に達し、来年のSTAR STAGE昇格を力強く誓い、狂乱のライヴを締めくくった。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. オンリーワンダー
2. KITAKU BEATS
3. ナイトステップ
4. かなしいうれしい
5. リリリピート
6. オワラセナイト
7. オドループ

撮影=HayachiN