5.3 WED 14:55-15:40 STAR STAGE
KEYTALK

STAR STAGE初登場にして横綱相撲
「フェスロック」の括りを過去にする貫禄のステージ

2014年、2015年とVIVA! STAGEに出演していたKEYTALKが、2015年10月の日本武道館でのワンマンなどを経て、いよいよSTAR STAGEに登場。「VIVA LA ROCK、楽しんで行こうぜ!」という巨匠(寺中友将/Vo&G)の第一声とともに“桜花爛漫”から始まったこの日のステージは、確実に一昨年までとは趣きを異にするものだった。

シンプルに言ってしまえば、オーディエンスが勝手に盛り上がっているのだ。序盤のメンバーは基本的にはただ演奏しているだけで、アタマから全力で駆け回り、煽りまくっていた頃とは大きく違う。それは比較的新しい曲である“ASTRO”にしても同じで、つまりはフック満載の楽曲がしっかり聴き手に浸透しているということだろう。もともとポップであることを信条としつつ、そこに派手なパフォーマンスを付随させることで、KEYTALKは「フェスロック」と呼ばれたりもしたわけだが、もはや彼らはその時期を通過し、貫禄のステージを展開している。

一方、“MONSTER DANCE”のようなギミックを大量に盛り込んだ曲ではそれを生かして、アゲアゲのパフォーマンスを繰り広げ、八木優樹(Dr)のホイッスルもアクセントにして、さらに熱狂的な空間を作り上げる。ツインヴォーカルの魅力を凝縮し、楽曲そのものの良さがストレートに伝わった“STAY”に続き、首藤義勝(Vo&B)の早口ヴォーカルも印象的な“YURAMEKI SUMMER”では小野武正(G&Cho)が泣きのギターソロを披露。MCでは小野と首藤が埼玉出身であることを語り、首藤からは「埼玉生まれ埼玉育ちネギ農家の人大体友達」という埼玉あるある?が飛び出す一幕もあった。

お馴染みの「ぺーい!」コールから始まった後半戦では、EDMという大ネタも盛り込んだ“Summer Venus”で巨大なダンスフロアを生み出し、大サビで巨匠がパリピ風のサングラスをしてお茶目な姿を見せる。さらに初期曲の“sympathy”で大合唱を巻き起こし、“Love me”でブリージンな風を吹き込むと、ラストは「フェスに来たってことは、祭り好きだよな~?」という呼びかけから“MATSURI BAYASHI”へ。首藤のスラップベースと小野のギターソロの掛け合いもばっちり決まり、大盛り上がりの中でKEYTALK初のSTAR STAGEは幕を閉じた。演奏力、パフォーマンス、ソングライティング、そのすべてが高いレベルにあることを、改めて証明するステージだったように思う。

ちなみに、“桜花爛漫”から始まって“MATSURI BAYASHI”で終わるなんて、季節の移り変わりを表しているみたいだなあと思ったら、最後に巨匠が350ml缶のビールを一気に飲み干し、痛快にステージを締め括ってみせた。春フェスが終われば、次はビールがより美味しい夏フェスシーズンがやってくる。もちろん、KEYTALKは今年もその中心にいるに違いない。

(金子厚武)

セットリスト

1. 桜花爛漫
2. ASTRO
3. MONSTER DANCE
4. STAY
5. YURAMEKI SUMMER
6. Summer Venus
7. sympathy
8. Love me
9. MATSURI BAYASHI

撮影=古渓一道