5.3 WED 17:40-18:15 CAVE STAGE
LAMP IN TERREN

ビバラがもたらした「出会い」
スペシャルなカヴァーを生演奏!

前回、2015年に出演した際はまだ3人編成だったLAMP IN TERREN。今回は、川口大喜(Dr)、松本大(Vo&G)、中原健仁(B)に加え、その年の秋のツアーからバンドに「復帰」した大屋真太郎(G)の4人で2年ぶりにCAVE STAGEに立った。4月12日にニューアルバム『fantasia』をリリースし、ツアーを控えたLAMP IN TERREN。この日、1曲目に選んだのは“林檎の理”。バンドの有機的なリズムが、大陸を思わせる雄大なサウンドスケープを作り出していく。LAMP IN TERRENはそのメロディアスなポップセンスもさることながら、人肌の温もりが直に伝わってくるようなたおやかなグルーヴを持ったバンドである。心臓の音がサンプリングされた“heartbeat”は、CAVE STAGEのように薄暗く音がこもる場所で演奏されると、さながら母親の胎内に還っていくような、自らの存在理由を生まれた時まで遡って問われるような、そんな重みを持って響いてくる。続いて披露されたのは、中原のベースが暴れ狂う“innocence”。音源ではピアノが印象的な楽曲だったが、よりバンドサウンドに寄ったアレンジへと変貌している。パトカーの赤色灯のような照明が、性急なロックンロールを加速させる。

「今日はある約束があって」という前置きの後、松本の口から語られたのは、このVIVA LA ROCKがもたらした、ある「出会い」について。MCの後、披露されたのは1995年に発売されたスピッツのアルバム『ハチミツ』に収録されている“トンガリ’95”のカヴァー。そう、LAMP IN TERRENは前回、ビバラに出演した際にスピッツと知り合いになったことがきっかけで『JUST LIKE HONEY ~『ハチミツ』20th Anniversary Tribute~』に参加し、同曲をカヴァーすることになったのだそう。<俺は今 誰よりも とがっている>と繰り返し歌い上げるこの楽曲はアルバムをリリースし、新しい季節を迎えたLAMP IN TERRENが今、演奏するにふさわしい。VIVA LA ROCKのためだけのスペシャルなカヴァーの生演奏が、この日のハイライトとなったことは間違いない。

星空の瞬きのようなグロッケンのサウンドが美しい“涙星群の夜”は、まさに松本がMCで語ったように「これから送る日常が素晴らしく感じられるような」LAMP IN TERRENが照らし出す希望に満ちた未来を描き出した。この日、最後の楽曲は“地球儀”。ギターを手放しハンドマイクで歌い上げた松本だったが、途中、歌詞が飛んでしまうハプニングに見舞われる。しかし、「この後、挽回していくから!」という宣言の通り、見事に挽回。エモーショナルにギターソロが鳴り響き、LAMP IN TERRENのスペシャルなステージが終わった。5月7日から始まるツアーでは、さらに進化した姿を見せてくれることを期待してやまない。

(小田部 仁)

セットリスト

1. 林檎の理
2. heartbeat
3. innocence
4. トンガリ‘95
5. 涙星群の夜
6. 地球儀

撮影=釘野孝宏