5.3 WED 16:05-16:40 GARDEN STAGE
Lenny code fiction

新しいスタンダードロックを目指せ!
新世代バンド、ビバラ凱旋を誓う

夕暮れ時のVIVA LA GARDENに登場したのは、Lenny code fiction。スタイリッシュかつ都会的な雰囲気を漂わせる彼らを、ピースフルなヴァイヴスに満ちた野外ステージで観るのはどことなく違和感があるような気もしないではないが、そんな不安は全くの杞憂であることがすぐにわかった。1曲目の“Rebellious”から、圧倒的かつ美麗なステージパフォーマンスと、生演奏と同期が絶妙にミックスされたロックサウンドで、オーディエンスを魅了していく。

メンバーそれぞれが非常にキャラ立ちしており、全員がフロントマンと言っても良いほど。音楽的な肝となっているのは、ソングライターでもある片桐航(Vo&G)の倍音の効いた美しい歌声と、KANDAI(Dr)の激しいドラミングだ。この日、2曲目に披露された4月12日にリリースのシングル“Colors”ではKANDAIの踏む激しいツインペダルの音がVIVA LA GARDENを踊らせた。 ソラ(G)とkazu(B)のそれぞれ違う個性を持ったステージパフォーマンスも、バンドに魅力を添えている。ソラはテクニカルなギターをプレイしながらも、絶えず表情豊かにコミュニケーションをとりながら観客を煽る。対して、kazuはクールな表情で静かに内なる炎を燃やしているという様子だ。片桐とKANDAIを中央に配して、この2人がステージの上手・下手でエモーショナルに演奏する様子が、まさにロックンロールバンドとして例えようもないほど正しく、カッコいい。中盤で披露された“Showtime!!!!”、“KISS”では、黄色い悲鳴が一段と高く、5月の空に響いた。

実はLenny code fictionの前身バンドは「閃光ライオット2012」に出場し、さいたまスーパーアリーナのステージに立ったことがあるとのこと。そして去年はVIVA LA ROCKにオーディエンスとして来場し、バンドメンバーで仲良く先輩たちのライヴを見学して回ったのだという。ゆえにこのフェスにかける想いもひとしお。「来年はアリーナの中に帰りたいです!」と、強い決意を語った。

ヘビーなビートが効いた“Alabama”と“Flower”を続けてプレイすると、そこはダンスフロアに。気がつけば周囲のオーディエンスはそれぞれが思い思いに自由なステップを踏んでいた。MCではVIVA LA ROCKのプロデューサーである鹿野 淳に「新しいスタンダードロックの卵」であると言われたことを嬉しそうに語っていたLenny code fictionであったが、既に殻を破って巣立ちの季節を迎えているような、そんな瑞々しい期待と予感に満ちた力強いライヴだった。

(小田部 仁)

セットリスト

1. Rebellious
2. Colors
3. Key -bring it on, my Destiny-
4. Showtime!!!!
5. KISS
6. Alabama
7. Flower

撮影=ヤオタケシ