5.5 FRI 15:40-16:20 VIVA! STAGE
MONOEYES

2年目の4人が見せた
信頼関係と変化への意志

鉄壁のライヴバンドたちがずらりと並ぶ、ビバラ3日目のラインナップ。大きなフェスでも普段のライヴハウスと変わらないエネルギーと熱を持ったロックの「遊び場」を作り出す面々だ。

MONOEYESもその一組。特にバンドを率いる細美武士(Vo&G)は、Dragon AshのKj、10-FEETのTAKUMA、Ken Yokoyamaの横山健など、この日に出演したバンドを率いる面々と数々の場を共にしてきた「歴戦の仲間」とも言える関係である。当然、そのことは汗まみれでもみくちゃになっている前方のキッズたちが何より体感で知っている。

2度目のビバラ出演となる彼らは、まさにそういうことを感じさせる、あっという間のステージだった。大音量で響きわたる映画『スター・ウォーズ』のテーマに乗せて登場した細美が「さいたま!」と呼びかけ、戸高賢史(G)、スコット・マーフィー(B)、一瀬正和(Dr)の4人が息を合わせて、“When I Was A King”の1音目を鳴らす。その瞬間に弾けたような熱が生まれる。ステージもフロアも一気にトップギアに入る。

細美は「ちょっと、こっちにもう1人入ってくれない?」とセキュリティに提案したり、倒れた人がいたら担ぎ上げるよう呼びかけたり、「打ち身、擦り傷、捻挫くらいは大丈夫。骨折以上はするなよ」と念を押したり、興奮が大きな事故に暴走しないよう気遣いを見せる。「ビバラ、俺らは2年目ですけど、すげえ愛情があるフェスだと思うんで」と言う。フェスとの、オーディエンスとの信頼関係が伝わってくる。

そして、もうひとつ印象的だったのが、スコット・マーフィーの存在だ。彼が作詞作曲を手掛けメインヴォーカルも担当する“Borders & Wall”は、カントリー&ウエスタンを底流に持つような疾走感あるナンバー。昨年10月にリリースされたEP『Get Up』に収録された曲で、スコットがこのバンドで歌うことありきで作られたという。そもそも当初は細美武士のソロ・プロジェクトから生まれたMONOEYESというバンドが、彼とスコット・マーフィーとの化学反応によって変容しているのを感じる。

「この4曲分、お前らの人生を俺にください。俺らもお前らにあげるから」

細美はそう語り、後半は“Run Run”から“明日公園で”へと、まさに駆け抜けるような展開。最後には「みんな大丈夫だった?」と問いかけ、「ありがとうございました!」と笑顔でステージを降りた。最高に痛快だった。

(柴 那典)

セットリスト

1. When I Was A King
2. Borders & Walls
3. My Instant Song
4. Like We've Never Lost
5. Get Up
6. Run Run
7. Somewhere On Fullerton
8. グラニート
9. 明日公園で

撮影=HayachiN