5.3 WED 11:10-11:45 CAVE STAGE
ポルカドットスティングレイ

詰めかけた大衆の欲望を掬い上げるように快楽投下!
初フェス出演も、見事なポルカ劇場を完遂!!

確かな批評眼と社会に蠢く「消費者」の欲求を掬い上げる知性をもって、2015年に活動を開始したばかりとは思えぬスピードで知名度を拡大し続けるポルカドットスティングレイ。その勢いに違わぬ集客力を発揮。演奏が始まる頃には、好奇心に突き動かされて集まった人々で洞窟(CAVE)内を埋め尽くしてみせた。

サウンドチェックでは可愛げたっぷりの笑顔と声で「みんな楽しもうね」という言葉を投げかけていた雫(Vo&G)が、一転、低く蠱惑的な声色で「ポルカドットスティングレイです。よろしくお願いいたします」と告げ、本編開始。巧い。のっけからオーディエンスの心を巧みにくすぐっていく。怨念にも似た情緒溢れる歌謡性とテクニカルな演奏、そして縦に連打されるリズムが同居したハイブリッドな楽曲達は、フェスにおけるここ数年の王道と、この国のポップソングの王道が見事に同居。“シンクロニシカ”や“本日未明”のような、発売後間もない新曲達も効きの速い浸透性と快感を備え、大歓声を幾度となく沸き起こしていく。これこそがポルカドットスティングレイの神髄だ。新作『大正義』をインディーズながらオリコンウィークリーチャートの7位に送り込んだ実力は現場でも至上の威力を持って響きわたる。

現在460万回超えの再生回数を誇り、彼女達の名を飛び級で全国に広めた代表曲“テレキャスター・ストライプ”は、イントロの最初の一音が鳴った瞬間から狂気交じりの怒号とハンズクラップがフロアに発生。「まじかよ……!みんなありがとう!」と思わずメンバーも喜びを露わにすると、雫がコールアンドレスポンスを呼びかけるまでもなく合唱が生まれ、一体感は最高潮へ。最後は曲前の「実はまだやってない曲があるんですぅ」というMCだけで大歓声を起こし、“エレクトリック・パブリック”を披露。<誰のせい?>からの「お約束」のコールアンドレスポンスも鮮やかにキメてフィニッシュ。『骨抜きe.p.』と『大正義』から半分ずつ、それらはどちらもリリースから1年にも満たない楽曲群だが、もはや全曲が一撃必殺の威力を持った楽曲として機能。彼らの音楽は爆発的な勢いで広まってきているが、まだまだこんなもんじゃない。このバンドはもっともっとどこまでも肥大化していく。この場所に詰めかけたオーディエンスの多くがその確信を抱いたことだろう。

(黒田隆太朗)

セットリスト

1. シンクロニシカ
2. 人魚
3. 本日未明
4. テレキャスター・ストライプ
5. 夜明けのオレンジ
6. エレクトリック・パブリック

撮影=釘野孝宏