5.4 THU 12:40-13:15 CAVE STAGE
シンリズム

自然体のミュージシャンシップ、そして
才能を認め合う仲間との抜群のハーモニー

CAVE STAGEの3番手として登場したのは、「やっと20歳ということで、お酒が飲める年になりました」と挨拶したシンガーソングライター、シンリズム。バンド編成での登場だ。高校生時代のデビューから3年、ビバラへの出演は2年連続。ポップスの旨味を凝縮した卓越したソングライティング、ギタリストの藤井謙二(The Birthday)をはじめとする凄腕のミュージシャンと渡り合う演奏力はもはや折り紙つき。それに加えて、昨日STAR STAGEに立ったばかりのSHISHAMOの宮崎朝子(Vo/G)が全曲でコーラス参加。タンバリンを持ってシンリズムの隣に並び、抜群のハーモニーを聴かせてくれたのである。

ライブは“彼女のカメラ”でスタート。チアフルなムードでフロアを包むと、続く”FUN!“ではオーディエンスが心地よさそうに身体を揺らす。2作目となるアルバム『Have Fun』を完成させたばかりとあって、セットリストはそこからの新曲が中心だ。

中盤には、やはりアルバム収録曲で、宮崎朝子がメインボーカルをつとめる“ショートヘア”も披露。二人はバッチリ息の合ったデュエットを見せる。同じマネジメントプロダクションに所属する先輩後輩ということで親交も深い両者だけれど、お互いに才能を認め合い、刺激を受け合っているのだろう。そのことが、二人の佇まいや表情からも伝わってくる。60年代から脈々と続くポップスのエッセンスを吸収して今の時代に形にするシンリズム。瑞々しい情景やフレッシュな感情を切り取ってポップソングにしてきたSHISHAMO。スタイルこそ違えど通じ合うものがあるはずだ。

後半は華やかなトランペットのソロが彩る“春の虹“から”MUSIC LIFE“へ。ラストは藤井謙二がギターを弾きまくり、ステージ上の全員が目を見合わせての短いセッションを経て終演。まさに彼の持つ「自然体のミュージシャンシップ」のようなものが溢れ出してくるようなステージだった。それが輪のように広がって、フロア全体を包んでいた。

(柴 那典)

セットリスト

1. 彼女のカメラ
2. FUN!
3. ショートヘア
4. 春の虹
5. Music Life

撮影=釘野孝宏