5.3 WED 17:50-18:40 STAR STAGE

SiM

• ツイート

深化するレゲエパンク、進化するSiM。
ヘヴィロックエンタテインメントの最高峰を目撃

同じフェスに通っていると、毎年出演しているバンドが前回よりもキャリアを積んで戻ってくる姿に喜びを覚えることってないだろうか？ビバラにとってSiMはそんなバンドのひとつ。彼らも今や横浜アリーナ単独公演でソールドアウトさせるビッグバンド。ビバラにおいても残すはSTAR STAGEのトリのみ、といった状況だ。そんな４人組の登場を待つフロアの期待はいやが上にも高まる。

そんな気持ちに応えるかのように、いきなりの“KiLLiNG ME”を投入し、ライヴは熱狂とともにスタート。ヴォーカルMAHの「跳べ！跳べ！」の合図で飛び跳ねる観客、大揺れするフロア。SiMの辞書には「徐々に」とか「少しずつ」なんて言葉は載っていないのかもしれない。初っ端から怒涛の攻勢をしかける。

今や大舞台での魅せ方、楽しませ方を熟知してるMAHのタクトは冴え渡る。フロアに声を上げさせたり、サークルピットを作らせたりする間合いが実に見事。「みんな、両手挙げて！グーにして！それを上下に振ったらモンキーダンスだー！」からの“GUNSHOTS”には感嘆の声を漏らさずにいられなかった。

曲のタイプごとにブロックを分けるのではなく、適度に緩急を織り交ぜて組まれたセットリストもよかった。これまでの経験に裏打ちされた、他のバンドにはなかなか真似の出来ない絶妙な構成だったと思う。

重量感のある演奏陣も素晴らしく、特に“CROWS”や“Blah Blah Blah”などで聴くことができるブレイクダウンパートの重さと言ったら！地を這うようなSINのベースラインがフロアを揺らし、時折ストーナー／デザートロック的にも聴こえるSHOW-HATEのギターフレーズが鼓膜を震わす。そんな2人のプレイをがっちり支えるGODRiのドラム――４人が掲げるレゲエパンクが新しい次元に突入したことを肌で感じた。

それにしても、パワーアップしたSTAR STAGEの特効が彼らによく似合う。ただのライヴバンドで終わることなく、自分たちなりのエンタテインメントを追求してきた結果がこういう場面でも顕著に表れる。

何よりよかったのは、ヴィジョンに映るメンバーが一様にいい表情をしていたこと。後半のMCでは「結婚しました。みんなもがんばってね」とMAHが新婚の余裕をたっぷり見せつけるひと幕があったり、激しくも人間臭いステージを展開。

最後は「音楽でいろんなものを発散して、強く生きていってください！」というメッセージを残し、大キラーチューン“Blah Blah Blah”をプレイし、“f.a.i.t.h”で大ウォールオブデス大会を繰り広げてフィニッシュ。大きなステージを存分に活かしたパフォーマンスに観客はまんまと汗だくになっていた。

（阿刀“DA”大志）

セットリスト

1. KiLLiNG ME
2. Boring People, Fucking Grays
3. Faster Than The Clock
4. GUNSHOTS
5. Amy
6. CROWS
7. Life is Beautiful
8. MAKE ME DEAD!
9. Get Up, Get Up
10. Blah Blah Blah
11. f.a.i.t.h

撮影＝古渓一道