5.3 WED 14:15-14:55 VIVA! STAGE
SUPER BEAVER

背負ってきた襷をオーディエンスと託し合うような
人と生き、人を活かす感動のロックアンセム、轟く!

小細工もおためごかしもない生きた音、生身の言葉を投げかけていく。一昨年に出場してから1年置いてのビバラ出場となったSUPER BEAVERが、ブレない信念に満ちたパフォーマンスで、VIVA! STAGEに集まった観客に明日を生きる力を全霊で投げかけていった。ツアーは軒並みソールドアウト、日比谷野音では立ち見まで含めてパンパンに埋める勢いと信頼を勝ち取っているバンドが、その所以を見せつける最高のステージを披露した。

大きな歓声を持って迎え入れられた彼らのライヴは、昨年発表した『27』収録の“27”“秘密”でスタート。ただ楽曲がいいだけではなく、心と心で向き合い、今ここにいる全オーディエンス一人ひとりの目を見て言葉を託すような振る舞いが、その歌の強度を極限まで高めている。いつも渋谷龍太(Vo)はライヴ中に「どう? 楽しんでる?」と何度も問いかける。それはまるで、それこそが「自分は何故マイクを手にしているのか?」という答えであるかのように、本来ならブレスの時間にさえも彼は聴き手と言葉を交わす。SUPER BEAVERは歌のすべてが対話であり、そしてずっと同じ信条で音楽を続けてきたからこそ、最近の楽曲群も古くからの名曲も同じ説得力で人の心まで届くのだろう。ハンズクラップがリズムの土台となり、柳沢の弾くメロディと<ありふれた歓びでも/嬉しいと思えたら 特別じゃない今日はもうきっと/美しい 美しい日なんだよなあ>という言葉を運んでいく“美しい日”が、あまりにも感動的だ。そこから「VIVA LA ROCK!今99点だと思うんです! 最後の1点まだ行けますか」とまくしたてながら“青い春”へ。オーディエンスは、逆に自分の気持ちを演者に届けるように両手を突き挙げこの音楽を奏でる4人に応えていく。これは間違いなく彼らだからこそ育めた絶景だろう。

「僕らの音楽は現実逃避のものではない――みんなビバラが終わったら、もしくはゴールデンウィークが終わったら、また社会の中で闘っていくものがあると思うんだ。僕らの音楽は、その活力になればいいなあと思う。みんなとはこういうところでしか会えないと思うけど、その闘い、守る日々の先でまた出会えればいい」。一期一会を抱きしめるような彼の言葉は、何よりもSUPER BEAVERというバンドが大事にしてきたものが表出した言霊だろう。「来年はもっと大きなステージで――」というようにステージの大きさを問うバンドが大半の中で、彼らは純粋に目の前にいる人しか見ていない。スローなアンサンブルで聴かせるバラード“人として”を終え、「困難なことも多いけどあなたならできると信じています。ありがとうございました。SUPER BEAVERでした」という感謝の気持ちを注ぎ、ステージを後に。誰よりも熱い音と、何よりも暖かい心に触れるライヴだった。

(黒田隆太朗)

セットリスト

1. 27
2. 秘密
3. 歓びの明日に
4. 美しい日
5. 青い春
6. 人として

撮影=HayachiN