5.4 THU 12:20-13:00 STAR STAGE
THE BAWDIES

ロックンロールかくあるべし!
その輝ける未来をTHE BAWDIESに見た!

ただいま33本に及ぶ全国ツアー真っ最中のTHE BAWDIES。完全に体ができ上がった状態で臨んだSTAR STAGEで、彼らは完全無敵のロックンロールパーティを繰り広げた。

冒頭からTAXMAN(G&Cho)は飛び跳ねながらステージに姿を現し、ROY(Vo&B)はドスの利いたシャウトでフロアを煽る。そして、ニューアルバム収録の“45s”でSTAR STAGEの暗闇を切り裂いた。

のっけから驚かされたのは、ROYのヴォーカル。しわがれながらもセクシーな声を一聴しただけで、彼が同世代のロックヴォーカリストとは別次元にいることがわかる。これはもう断言できる。このバンド、今が一番格好いい。いや、「今が一番」を結成以来更新し続けているんだ。

こういったオーセンティックなロックンロールをメインストリームで鳴らすバンドは今や希少。シーンとしてはフォロアーの存在が求められるところではあるが、彼らがいる限り日本のロックンロールは安泰だ。

ステージが進むにつれて演奏の強度が増していく。やべぇ、これは本当に格好良い。そろそろメンバー全員が30代中盤に差し掛かろうという今、鳴らしている音に経験がばっちり追いついてきたのかもしれない……いや、こんな分析は野暮だ。このビートにただ身を委ねてればいい。

ニューアルバムからの渋めなスローチューン“NEW LIGHTS”も最高だ。古きよきアメリカを思い起こさせ、サビのコーラスワークに心をグッと掴まれる。その一方で、”KICKS!”の甘くてポップなソングライティングにも唸らされる。

突如として始まった寸劇には面食らった。TAXMAN演じる魔女の宅子がJIM(G&Cho)扮するパン屋を訪れるストーリー。ホウキではなくソーセージに乗った宅子がパン屋を訪れ、「ここのパン屋で働きたい」と申し出ると、そんな様子を見ていたマサヒコ(MARCY)がこう言った。「ははは、ソーセージに乗った宅子がパン屋で働きたいなんて、まるでホットドッグだね」そんなセリフを受けてプレイするのはもちろん、“HOT DOG”。

ROYは「遅れないように付いて来てください!」と言うけれど、このヘヴィグルーヴに付いていくのはかなり困難。“SING YOUR SONG”のコールアンドレスポンスだって、バンドの勢いに完全に負けてしまっているではないか。

派手なパフォーマンスはいらない。奇をてらった仕掛けもない(寸劇以外は)。その体と、声と、楽器と、ロック魂さえあれば十分。THE BAWDIESはこれからも、何十年も、ロックしてロールしてフロアを揺らしていくんだ。興奮のあまり、ステージに上ってメンバーを抱き締めたくなる衝動を抑えながら、STAR STAGEを後にした。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. 45s
2. HELLO
3. IT’S TOO LATE
4. MEDLEY
JUST BE COOL ~ KEEP YOU HAPPY ~ ROCK ME BABY ~ JUST BE COOL
MC
5. NEW LIGHTS
6. KICKS!
7. HOT DOG
8. SING YOUR SONG
9. THE EDGE

撮影=古渓一道