5.3 WED 13:35-14:15 STAR STAGE
THE ORAL CIGARETTES

念願のSTAR STAGE!
決意を胸に新たな夢へ

昨年VIVA! STAGEに出演した際、「来年、STAR STAGEで会いましょう!」と宣言していたTHE ORAL CIGARETTES。まさに有言実行。後ろまでぎっしりとオーディエンスが詰めかけるパンパンのSTAR STAGEに登場した。

まずは挨拶がわりに今年2月にリリースしたサードアルバム『UNOFFICIAL』の1曲目“リコリス”を披露。ステージ上での余裕たっぷりの姿にはすでに王者の風格が漂っている。日本のロックの耽美的な部分をルーツに持ったTHE ORAL CIGARETTESなだけあって、ステージパフォーマンスは激しくも美しい。実際、この日のライヴは若干、ヴォーカルが聴こえづらいところやバンドアンサンブルの乱れなどが見られたのだが、山中拓也(Vo&G)を中心としたメンバーのステージングの妙がそれを補って余りある働きをしていた。

2曲目の“Shala La”では曲中の<この歌をあなたに歌ってほしいの>という部分を<この歌をビバラのみんなに歌ってほしいの>と歌詞を変え、観客に今日この場こそが特別な空間であるというメッセージを送る。とにかく、この日のライヴはオーディエンスの反応が狂気的なまでに熱狂的で、節度を守りながらも会場のいたるところでモッシュやリフトなどが、バンド側からけしかけられるまでもなく、自発的に起きていた。“CATCH ME”のように観客とバンドの掛け合いが肝となる楽曲ではバンドと観客の力強い「合唱」がさいたまスーパーアリーナを土台からグラグラと揺らした。大勢のオーディエンスの前だからこそ、より大きな効力を発揮する楽曲の仕掛けが遺憾なく発揮された瞬間だった。

「CAVE STAGEからここまで来れたのはみんなのお陰です。そして、VIVA LA ROCKを作ってる人たちが僕たちを成長させようと思ってくれたからだと思っています。このステージはSTAR STAGEと呼ばれていますが、自分たちがスターだなんて大それたことは今は言えません。が、絶対にスターになってやろうと思っています!」と、時代を変革するロックンロールバンドになると観客の前で、改めて誓ってみせた。

続いてプレイされたのは、そんな彼らのリスナーと共に成長していきたいという強い想いが込められた新曲“ONE'S AGAIN”。この曲は6月14日に両A面シングルとしてリリースが予定されている。チルでブラックな雰囲気のAメロからロックなグルーヴを巻き上げていく、THE ORAL CIGARETTESの新機軸とも言える楽曲だ。ライヴ後半は、“カンタンナコト”、“狂乱 Hey Kids!!”と彼らのレパートリーの中でも屈指のキラーチューンを立て続けに放っていく。気づけば、アリーナのみならず、スタンド席のオーディエンスも総立ちになって拳を突き上げていた。

「今日、この素晴らしい景色を見てひとつ夢ができました。俺ら、ここで絶対ワンマンします。俺らは誰になんと言われようと負けません。あなたはどうしますか? その答え合わせをまた、ここでできたらって思います」

CAVE STAGEから出発し、今日この日、VIVA LA ROCKにおける最高峰のステージであるSTAR STAGEまでたどり着いたTHE ORAL CIGARETTES。そのステージで彼らが最後に披露したのは“5150”。<あとどれくらいの道が待っていたとしても/このまま諦めはしないよ>。まさにその歌詞の通り、彼らの夢は、その歩みは決して止まることはない。

(小田部 仁)

セットリスト

1. リコリス
2. Shala La
3. CATCH ME
4. ONE'S AGAIN
5. カンタンナコト
6. 狂乱 Hey Kids!!
7. 5150

撮影=古渓一道