5.3 WED 16:35-17:10 CAVE STAGE
yonige

ビバラ初登場!
CAVEがyonigeの唄心に酔いしれた

CAVE STAGEに足を踏み入れてギョッとした。スタート10分前の時点で既にパンパン。しかも、こちらに向かう人の波は途切れることがない。みんな待っていた。寝屋川出身の2人組のビバラ登場を心待ちにしていたんだ。最近の彼女たちの人気を思えば当然と言えるが、目の前に広がっている光景が単純にうれしかった。そんなふうに喜びを噛み締めていると、いつの間にか人の流れがなくなっていた。そう、入場規制だ。

ビバラ住人の温かい拍手に迎え入れられてプレイした1曲目は”センチメンタルシスター”。スリーピースの最小編成(ドラマーはヘルプ)かつ、オーソドックスな演奏に乗っかる牛丸ありさ(Vo&G)のヴォーカルが際立っている。ちょっとハスキーで、飾り気がなくて、自分をさらけ出す声。「恋と退屈」で顕著だったが、時折発する調子っぱずれなヴォーカルがまたいい。そんなむき出しの姿に心打たれるのである。

曲も素晴らしい。”さよならプリズナー”のセツナ成分多めなサビメロは、牛丸の声との相乗効果でよりグッとくる。後ろでそっと支えるごっきんのコーラスも重要だ。決してテクニカルな演奏とは言えないが、このバンドの場合、演奏力はそこまで重要じゃない。

中盤のMC、第一声は「クリープハイプとyonigeを丸被りさせたビバラロック、最高!」牛丸の独特な表現でフロアに笑いが起こる。そして、このステージに詰めかけた観客に謝辞を述べたあとは、時間を惜しむように曲へと移る。

“さよならアイデンティティー”から始まる後半戦は、ファーストミニアルバムからの曲で占められた。やり慣れている曲だからなのか理由はわからないが、もうちょっと近作の楽曲も織り交ぜてほしかったのが正直なところ。しかし、それを補って余りあるパフォーマンスを堪能できたことは確かだ。

手拍子を煽ったり、コールアンドレスポンスを求めることもない。そんなシンプルなステージングは最近のフェスの光景としては珍しく、それがまたいい。ただひたすらに牛丸の歌声に聴き惚れる35分は、じんわりと胸の奥が熱くなる至福の時間だった。

(阿刀“DA”大志)

セットリスト

1. センチメンタルシスター
2. さよならプリズナー
3. our time city
4. さよならアイデンティティー
5. アボカド
6. バイマイサイ
7. 最近のこと
8. 恋と退屈

撮影=釘野孝宏