VIVA LA ROCK 2018

5.3 THU 13:45-14:20 CAVE STAGE
DATS

次代のシーンを牽引する旗手が本領発揮!
気高き挑戦心と情動に満ちたロックで魅せた

大歓声で迎えられたCAVE STAGEの4番手はDATS。「俺達なりのロック、最大限に示していきたいと思います」(MONJOE/Vo&Syn)という宣誓から始まった彼らのステージは、バンドとしての新章を告げた昨年リリースの“Mobile”から。頭の一音から湧き上ったフロアを観れば、この時間の彼らの勝利が約束されたのは一目瞭然だった。昨日MVが公開されたばかりの“Memory”で大きな横揺れを演出し、“Netflicks”にスムースに移行。ダンスミュージックとしての快楽を追求しながら、妖艶で情熱的なロック・ミュージックとしての音楽性も突き詰めていった彼らの音楽に宿る、なまめかしいグルーヴにあてられ会場のヴォルテージは嫌でも上がっていく。そしてその興奮にさらなる火をつけたのが彼らのセッションだった。

「今からリアルタイムでループを作ってセッションします」(MONJOE)と言って始まった彼らのインプロビゼーションは、身体性に満ち、上音が誰にも予想のできない軌道で宙を舞いながら、そして登場したゲストラッパーの荘子itがラップを披露。音源を超えた快感がフロアに投下された瞬間だった。四方八方から音の粒が降り注ぐプレイは圧巻で、そうした彼らのどこまでも挑戦的にフロアを支配していく姿は、詰めかけた多くのオーディエンスに次代のシーンを担うバンドは自分達なのだという気概を鮮烈に植えつけただろう。

“Patagonia”、“Heart”とシャープなギターが会場を切り裂いていく後半戦はますます躍動感を増していく。この常に前進を繰り返すライヴ展開は、彼らの音楽を奏でることの喜びの表れであり、自身らの音楽に対する絶対の信頼が表出したものに他ならないだろう。「VIVA LA ROCKでみんなに会えたこと、本当に嬉しく思います」(MONJOE)という挨拶と共に披露された最後の曲は“Message”。『Application』や『Message』で見せていた実験精神とロックバンドとしてのプライドは、音楽を生で浴びる現場でこそ開花していくのだということを知らしめる見事なパフォーマンスを見せたDATS。その自由で迷いなく新しい音を放っていく様は、会場を埋め尽くす喝采に相応しい好演であった。

セットリスト

1. Mobile
2. Memory
3. Netflicks
4. Session
5. Patagonia
6. Heart
7. Message

撮影=小見山 峻 テキスト=黒田隆太朗