VIVA LA ROCK 2018

5.3 THU 10:30-11:05 CAVE STAGE
ドミコ

凄いぞドミコ! マッドでクールな変態ビートと殺人リフ
ロックンロールを聴く理由は全部ここにある!

ドミコ最高、超クール。たったふたりでステージに立ち、音楽の力だけで勝ちに行く彼らはいつだってカッコいい。ロックンロールの正統を継ぐ音楽観と、それに反するような変態的な感性とぬるっとしたルックス――それらが絶妙に絡み合い強烈な快感を生み出すロックンロールバンドが、リフとビートというロックンロールのプリミティヴな快感を味わせ、5周年を迎えたVIVA LA ROCKでその神髄を見せつけた。

力みも無駄口も一切なし。このステージ、さかしたひかる(Vo&G)の口から出た歌以外の言葉は挨拶のみ。つまりふたりが初出場の舞台で見せたのは、「いつもと変わらない最強のドミコ」を貫徹する粋なプレイだ。のっけは“マカロニグラタン”。破裂音を思わせる長谷川啓太(Dr)のインパクトのあるドラムと、突然カットインしていくさかしたのリフと子気味いい歌から入り、次は早速彼らの現・最高のアンセムと言っていいだろう“こんなのおかしくない?”。開演と同時に増え続けるオーディエンスに、リフだけで殺しにいくロックンロールバンドの真価を見せつけるキレッキレのスタートだ。

一旦ブレイクを置いての中盤からが、彼らの真骨頂にしてハイライト。真顔で「おはようドミコです」と言うだけでクスっと笑えるのがさかしたの持つ愛嬌だが、一度音が鳴った瞬間ムードは一変する。“まどろまない”を長尺イントロでドープに聴かせ、緩急をつけていくリフとビートで朝から悶絶させると、<わたし迷子になりたいの、、、>と歌いサウスビーチにチルさせる“Pop,Step,Junk!”。次第にボトムが酩酊感を増していき、ねっとりとしたBPMでサイケデリックな空間を作る“ミッドナイトネオン”、暗いガレージでフォークを弾いたような“マイララバイ”を聴いていると、もうドミコのことしか考えられなくなる。さかしたの歌はずっと気だるそうなのに、聴く側の頭は覚醒していくドミコのマジックが気持ちいい。何より、気分屋なのか癖なのか、ライヴごとに微妙に異なるアレンジを聴かせることで自分達の楽曲の規則性から抜け出し、毎回異なる快感を作るプレイも彼らならではだろう。

最後は「朝からありがとう。ラストやって帰ります」と言って歌った“くじらの巣”。ヒップホップ調の歌と気がふれたようにブレていくドラムがグルーヴィな、彼らのライヴの定番のラストナンバーだ。終わりまで普段通りに気取らない、しかしそれでいて常に新鮮な興奮を生み出す彼らはいつ何時見ても稀有なバンドである。

セットリスト

1. マカロニグラタン
2. こんなのおかしくない?
3. united pancake
4. まどろまない
5. Pop,Step,Junk!
6. ミッドナイトネオン
7. マイララバイ
8. くじらの巣

撮影=小見山 峻 テキスト=黒田隆太朗