VIVA LA ROCK 2018

5.5 SAT 12:20-13:00 STAR STAGE
HEY-SMITH

パンクロックが日本を救う!
場内を包み込むポジティブフィーリングに胸が熱くなる

昨年に引き続き、HEY-SMITHがビバラのSTAR STAGEに帰ってきた。スクリーンにメンバー紹介を兼ねたパンクな映像が流れ、それに続いてメンバーがステージに現れる。フロアのあちこちでさっそくリフトが発生し、客も受け入れ体勢ばっちり。“Endless Sorrow”で始まると同時にクラウドサーフの波がステージへ押し寄せ、スタンドにいる観客も楽しげに飛び跳ねている。こんな自由な空気感がいい。

日本のスカパンクバンドの数はかつてほど多くはないが、こんな大舞台で大観衆を巻き込むライブをかましたバンドは過去を見渡してもそう多くはないはずだ。自身でフェスを主宰していることも大きいだろうが、彼らの音はスカパンクというサブジャンルを越えて、より多くの心にリーチする「俺たちの音楽」と化している。

MCでは、猪狩秀平(G&Vo)が「誰にも屈しないインディーズ」だと自らのことを誇り、こう叫んだ。「MUSICAの皆さん、呼んでくれてありがとうございます!」と。「これがインディーズのやり方だ!」と付け足し会場を笑わせた。

この3日間、様々なバンドがさいたまスーパーアリーナの床を揺らしてきたが、どれも大きな縦ノリによって起こったもの。実はこの会場、スカダンスでもめちゃくちゃ揺れるんです。“2nd Youth”、“Radio”と続く中盤でそのことを初めて知った。このとんでもない揺れは筆者の目の前にあった机からものが落ちるほど。MCもそこそこに大量の曲を畳み掛けるHEY-SMITHのパフォーマンスは昨年以上の盛り上がりを見せていた。6人の顔にも笑みが浮かんでいる。

高速パンクチューンから一転、8ビート“Summer Breeze”や“Lonely With Everyone”ではハッピーなムードを増幅。「ビバラロックは自由にやってええんちゃうんかー!お前らの自由はそんなもんかー!」という猪狩に煽られ、「オイ!オイ!」という観客の絶叫は高まり、場内が彼らの大声で満たされてから“We sing our song”をプレイ。

HEY-SMITHのライヴがいいのは、言葉に出さずとも、「この場をみんなで共有しよう」という素直でポジティブな思いが演奏や音に表れているところだ。パンクスでなくても、初見でも、決して突き放さない。誰でもウェルカムだという空気感。そして、その場にいる人を力強く引き寄せる6人の包容力。彼らのそんなところに引き寄せられるし、また見たいと思わせるのだ。

終わってみれば、40分という短い時間でやりもやったり13曲。一息ついて、笑ったままの自分の顔に気付いた。それぐらい幸せなライヴだった

セットリスト

1. Endless Sorrow
2. Dandadan
3. Skate Or Die
4. Don’t Worry My Friend
5. 2nd Youth
6. Radio
7. Let It Punk
8. Summer Breeze
9. Lonely With Everyone
10. We sing our song
11. True Yourself
12. Living In My Skin
13. Goodbye To Say Hello

撮影=古渓一道 テキスト=阿刀“DA”大志