VIVA LA ROCK 2018

5.3 THU 13:35-14:15 STAR STAGE
KANA-BOON

フェスと共に歩んできた4人が見せた
ロックバンドの本領と底力

KANA-BOONにとってVIVA LA ROCKはホームグラウンドの場と言っていいだろう。初回から5年連続の登場。そして彼ら自身もメジャーデビュー5周年。フェスと共にシーンを駆け上がっていったバンドは、昨年にはSTAR STAGEのヘッドライナーもつとめた。谷口鮪(Vo&G)の誕生日が5月3日なこともあって、VIVA LA ROCKは、毎年、彼らにとっても大事な節目となってきた。

そんな彼らが今年に見せたのは、バンドの過去と今、そして未来をつなぐようなステージ。骨太なアンサンブルと人懐っこいメロディという核の部分を改めて見せ、その新たな可能性を切り拓くようなパフォーマンスだった。

「KANA-BOONです、よろしくどうぞ!」

谷口鮪(Vo&G)がそう叫び、大歓声に迎えられて登場した4人がまず披露したのは、インディーズ時代の“さくらのうた”、そして続くはメジャーデビュー曲“盛者必衰の理、お断り”。熱狂が広がり、沢山の手が挙がる。「一緒に踊れますか?」と谷口が呼びかけた“ロックンロールスター”、昨年にリリースされた4作目のアルバム『NAMiDA』表題曲の“涙”と、彼らの歩んだ道筋を駆け足で辿るような曲順だ。シンプルでストレートなアンサンブルなだけに、鳴らしている音の迫力とエネルギーがそのまま伝わってくる。小泉貴裕(Dr)、飯田祐馬(B&Cho)のプレイも逞しく、古賀隼斗(G&Cho)のギターも華やかだ。

MCでは谷口は今日が誕生日であることに触れ、「よく何が欲しいですかって訊かれるんですけど、欲しいもんなんてないんですよね。このステージから見える景色、みんなの笑顔、それが一番のプレゼントです」と語る。そして、“フルドライブ”に続けては「せっかくお祝いしてもらったから、俺らも新曲をプレゼントしていいですか」と、5月30日にリリースされるミニアルバム『アスター』収録の“彷徨う日々とファンファーレ”を披露。駆け抜けるような疾走感とこみ上げる思いを畳み掛ける歌のフレーズが印象的な、彼らにとっても新たな代表曲になりそうな一曲だ。

「最後にビバラとみんなに送ります」と“バトンロード”で締めくくった彼ら。あっという間の時間だったけれど、ロックバンドとしての底力を見せてくれたステージだった。

セットリスト

1. さくらのうた
2. 盛者必衰の理、お断り
3. ロックンロールスター
4. 涙
5. フルドライブ
6. 彷徨う日々とファンファーレ
7. シルエット
8. バトンロード

撮影=古溪一道 テキスト=柴 那典