VIVA LA ROCK 2018

5.5 SAT 14:55-15:45 STAR STAGE
東京スカパラダイスオーケストラ“TOKYO SKA ANTHEMS” feat.斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN), TAKUMA(10-FEET), TOSHI-LOW(BRAHMAN / OAU), 細美武士(the HIATUS / MONOEYES), 峯田和伸(銀杏BOYZ)

名うてのロックヴォーカリスト5人が集結
一曲入魂の連続で見せた「攻め」のスカパラ

どんな場でも、どんな人を相手にしても鉄板の盛り上がりを生み出すスーツ姿の伊達男集団、東京スカパラダイスオーケストラ。ビバラでも数々の熱狂を生んできた彼らだが、この日のライヴは特別だった。ゲストヴォーカル陣を迎えたステージを披露することが事前に発表されていたが、この日見せてくれたのは、まさに一期一会のスペシャルなセッションの数々だった。

“Paradise Has No Border -short-”からライヴはスタート、「準備はいいか! 行くぞビバラ!」と披露した“スキャラバン”から“DOWN BEAT STOMP”でアリーナもスタンド席もぎっしりと埋まったお客さんを熱く盛り上げる。ただし、フェスでの定番曲はここまで。ここから披露されたのはリリースされたばかりのアルバム『GLORIOUS』を中心にしたセット。それも「スカパラ29年の歴史の中で、初めての試みを行います」と谷中が告げたように、5人のロックヴォーカリストが次々と登場し、それぞれ一曲入魂のナンバーを歌う展開だ。

まずは10-FEETのTAKUMAを迎えての“Samurai Dreamers”。アップテンポなビートに乗せ、フロントに並んだTAKUMAと谷中の二人が畳み掛けるようなメロディを歌う。さらには先ほどBRAHMANのステージを終えたばかりのTOSHI-LOWがスーツ姿で“野望なき野郎どもへ”を歌う。前のめりにハードコアな、スカパラとBRAHMANが真正面からぶつかり合ったかのような曲調だ。続く“Diamond In Your Heart”は細美武士が登場し、ツービートの疾走感あふれるサウンドに乗せて笑顔で飛び跳ねながらエモーショナルな旋律を歌う。北原雅彦のトロンボーンソロ、加藤隆志のギターソロも見せ、最後に細美はドラムセットからジャンプをキメる。

続いては加藤のメタリックな爆音ギターをフィーチャーしたラウドナンバー“The Battle of Tokyo -short-”を披露し、茂木欣一(Dr)が歌った“銀河と迷路 -short-”に続けては“白と黒のモントゥーノ”にUNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介がギターを抱え登場。ラテンのフレーバーを軸に、くるくると移り変わっていくジェットコースターのような展開を持った曲。斎藤と加藤とのギターバトルも展開する。

ただ単に歌い手を迎えただけでなく、それぞれのバンドの音楽性にスカパラが憑依したかのような曲調を生み出したのがこれらのコラボの本懐だ。こんな芸当ができるのもスカパラならではだろう。パンクな“Glorious”を駆け抜けると、続けての“ちえのわ”では坊主頭の峯田和伸がステージを縦横無尽に駆け回り、マイクを額に打ち付けて血を流しながら感情を全て乗せたような叫びを放つ。

ラストは“ペドラーズ”で締めくくり、豪華なステージは終了。29年目を迎えた今も守りに入ることはなく挑戦を続けるスカパラの真髄を見せた時間だった。

セットリスト

1. Paradise Has No Border -short-
2. スキャラバン
3. DOWN BEAT STOMP
4. Samurai Dreamers/TAKUMA(10-FEET)
5. 野望なき野郎どもへ/TOSHI-LOW(BRAHMAN、OAU)
6. Diamond In Your Heart/細美武士(the HIATUS、MONOEYES)
7. The Battle of Tokyo -short-
8. 銀河と迷路 -short-
9. 白と黒のモントゥーノ/斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)
10. Glorious
11. ちえのわ/峯田和伸(銀杏BOYZ)
12. ペドラーズ

撮影=古溪一道 テキスト=柴 那典