VIVA LA ROCK 2018

5.4 FRI 13:35-14:20 STAR STAGE
VIVA LA J-ROCK ANTHEMS【Ba:亀田誠治/Gt:加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)/Gt:津野米咲(赤い公園)/Dr:ピエール中野(凛として時雨) 】

名曲は時を越えて何度も蘇る!
ビバラ名物企画が見せたロックアンセムの力

続いてのSTAR STAGEは、ビバラでしか観ることのできないスペシャルセッション! 今年で4回目となったビバラの名物企画「VIVA LA J-ROCK ANTHEMS」だ。

亀田誠治率いる凄腕ミュージシャンたちと豪華なゲストヴォーカリストが日本のロックアンセムの数々を蘇らせるこの企画。これまでも幾多の名演が繰り広げてられてきたが、今回のステージから見えたのは、日本のロックが脈々と紡いできたアンセムの色褪せない存在感、そして登場したヴォーカリストたちが今の時代にそれを歌い継ぐ「意味」のようなものだった。

オープニング映像に続いて、まずは亀田誠治(B)、ピエール中野(Dr/凛として時雨)、加藤隆史(G/東京スカパラダイスオーケストラ)、津野米咲(G&Key/赤い公園)という去年と同じ「アンセムズバンド」の面々が登場。まずはヤバいTシャツ屋さんのこやまたくやとしばたありぼぼが登場し、氣志團“One Night Carnival”を茶目っ気たっぷりに歌う。途中にはヤバTのドラム、もりもりもとが「なんやねん自分らばっかり! 俺だって目立ちたいんや!」とわざわざ借りてきたという氣志團の衣装で登場する気合の入りっぷりだ。

続いて登場したTHE ORAL CIGARETTESの山中拓也が歌ったのは、L’Arc~en~Cielの“HONEY”。妖しげな色気を漂わせながら歌う山中の佇まいは、ロックスターとして覚醒しつつある今の彼の風格のようなものを感じさせる。

さらにはピエール中野がプレゼンターをつとめるビバラの姉妹フェス「ビバラポップ!」に出演するBiSHのアイナ・ジ・エンドが登場。亀田誠治の尖ったベースソロが炸裂して始まったのは椎名林檎の“本能”だ。アイナのハスキーな歌声、曲の世界に入り込んでいくような熱唱でオーディエンスをぐっと惹き込んでいく。

4曲目は、KANA-BOONの谷口鮪が「普段の活動からは想像つかない曲をやろうと思います」と告げて歌った、斉藤和義の“歌うたいのバラッド”。津野米咲のピアノをバックに、直立不動でポケットに手を入れて目をつぶって歌い上げる姿は今までのバンドでは全く見たことのないもの。けれど、確実に彼のヴォーカリストとしての新たな可能性を見せるものだった。

続いて「音楽って最高だね。今泣きそうになって聴いてました」と語ったFLOWER FLOWERのyuiが披露したのは、スピッツの“チェリー”だ。エバーグリーンなメロディをキュートに歌い上げると、曲中では自身の代表曲 “CHE.R.RY”をマッシュアップ。時代を超えて二つのポップソングが合体する初の挑戦だ。曲を終えて「びっくりした?」と亀田誠治が笑顔を見せ、yuiも「奇跡みたい」と頬を紅潮させていた。

そしてラストにはCreepy Nutsが登場。披露したのはザ・ハイロウズの“日曜日よりの使者”だ。R-指定はアカペラのオープニングからオリジナルのラップをがんがん挟み、DJ松永はキレキレのスクラッチを披露する。原曲とは全く違う、ロックとヒップホップが融合したアレンジだ。中盤にはピエール中野とDJ松永によるスクラッチとドラムソロのバトルも挟み、ラストはオーディエンスも一緒に<Sha la la…>の大合唱。さらにはステージ袖でそれぞれ山中拓也、津野米咲の晴れ舞台を見守っていたTHE ORAL CIGARETTESと赤い公園のメンバー、そしてKEYTALK 、Dizzy Sunfistも登場し、みんなで<Sha la la…>を歌い踊りながら大団円を迎えた。

昨年のこの企画で初共演したSKY-HIとぼくのりりっくのぼうよみがその後にオリジナル曲“何様”でコラボするなど、ビバラの枠を超えた新たな可能性にもつながりつつあるVIVA LA J-ROCK ANTHEMS。今年もステージには様々な出会いが生まれていた。世代や時代を超えるアンセムの力を痛感した。

セットリスト

1. One Night Carnival/こやまたくや、しばたありぼぼ(ヤバイTシャツ屋さん)
2. HONEY/山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)
3. 本能/アイナ・ジ・エンド(BiSH)
4. 歌うたいのバラッド/谷口鮪(KANA-BOON)
5. チェリー/yui(FLOWER FLOWER)
6. 日曜日よりの使者/R-指定&DJ松永(Creepy Nuts)

撮影=古渓一道 テキスト=柴 那典