VIVA LA ROCK 2019

5.6 MON 17:30-18:15 STAR STAGE
04 Limited Sazabys

9月にたまアリワンマン決定!
新たなフェイズへと進む4人の意地とプライドと遊び心

今や日本を代表する大型フェスのひとつを主催するバンドとして、バンドとしての実力だけでなく、意識の高さもうかがえるようになったフォーリミ。がむしゃらだった若手の時代はとうに終え、メンバー全員が30代になったこともあり、あらたなフェイズに突入している。そして、今年のビバラではついにSTARのトリ前を勝ち取った。
 
レーザービームがド派手にスタジアムを貫き、パイロが燃え盛るなか、まずは“fiction”“knife”“Alien”で一気に駆け抜ける。そして、MCでGEN(B&Vo)は「この時間を任されるのはうれしいことだし、みなさんのおかげです」と感謝の気持ちを言葉にした。そして、「前はみんな先輩だったのに、気付いたら後輩も増えてきて」と自分たちが中堅バンドになった実感を述べ、「だから、カッコ悪いところは見せられない」と気合いを入れ直した。

“Kitchen”ではKOUHEI(Dr&Cho)のドラムが抜群のキレを見せた。性急なビートでフレーズも細かいが、軽快なスティックさばきでバンドを引っ張る。この曲に限らず、要所要所で痺れるようなフィルインをキメるなど、彼はライヴを通じて常に高いパフォーマンスを見せていた。これでしっかりコーラスもこなすんだから恐れ入る。

ハードにエッジの効いた“Galapagos”では、シリアスな曲調とは反対に、間奏でGENが昨年のMUSICAで展開した年末企画の締切に間に合わず、原稿が載らないまま発売される自体を招いてしまったことを懺悔するという苦笑いな小話を挿入。バンドの成熟を感じさせながらも、こんなおふざけを急に入れてくるところがフォーリミらしい。

中盤はミッドチューン“Letter”と“hello”で抑揚をつけ、全く危なげがないどころか、完璧な展開でストーリーを組み立てた。バンドがどっしりとして見えるのは、GENのフロントマンとしての成長によるところも大きい。「楽しんでる?」と観客の様子に気を配りつつ、演奏や歌、MCの内容にも迷いがない。近年は毒を吐く場面もあまり見なくなった。以前はビバラでも「主催者の前説が長い」など悪態をついたりしていたが、今日は「こんなにすごいフェスをこのクオリティで4日間もやるなんてすごい!」と素直に讃えたあと、ロックの可能性を信じているし、ロックを守っていきたいと新たな決意を見せた。このままでいいわけではない――このジャンルに携わる人間全てが感じていることだ。「じゃあ、どうするのか」という問いに対する答えのひとつを、フォーリミの4人がここで見せていた。ただただ楽しむこと。その場で感じた何かを大事にすること。観客は4人の熱演に応え、名曲“monolith”であちこちでどでかい円を描いた。

そして、このまま大団円を迎えるかと思いきや、ニヤリと笑みを浮かべたGENがこう言い放った。「今年の9月にここ、さいたまスーパーアリーナでワンマンライヴをします!」どよめく観客を置いてけぼりにしたまま、すかさず“message”をプレイし、突然のサプライズの余韻が残るステージを愉快げに去ったのだった。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. fiction
2. knife
3. Alien
4. Kitchen
5. swim
6. Warp
7. Galapagos
8. Letter
9. hello
10. Squall
11. monolith
12. message

撮影=釘野孝宏

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