VIVA LA ROCK 2019

5.5 SUN 10:25-11:00 CAVE STAGE
秋山黄色

高まる注目の中で見せた、
逞しい第一歩

鮮やかな金髪に、目を覆う長い前髪。

宇都宮市出身のニューカマー、秋山黄色は、これがビバラ初登場だ。今年に1stミニアルバム『Hello my shoes』をリリースしてから急激に注目度を高めている彼を一目見ようと、朝早くからCAVE STAGEには沢山の人が集まった。

もともとギターの練習でコピーをしてる中で曲作りを始め、DTMにのめり込み、ライヴよりも先にYouTubeやSoundCloudへの投稿から音楽活動をスタート、作詞作曲だけでなくイラストや映像の制作も手掛ける彼。そういう活動のスタイルや鬱屈した心情を綴った作品性には、その佇まいにも通じる内向的な印象もある。しかし彼がライヴで見せてくれたのは、そんなイメージとは対照的なパワフルで豪快なパフォーマンスだった。

ステージは音源としては未発表のパンクナンバー“スライムライフ”からスタート。「ようこそ」と一言告げ、“やさぐれカイドー”はソリッドなギターフレーズをかき鳴らし高らかに叫び声を挙げる。ベースとドラムをサポートに迎えたシンプルなバンド編成で、グランジから連なるシンプルなギターロックのスタイルだ。

叙情的なメロディをじっくりと歌い上げたスローテンポの“ドロシー”に続き、“クラッカー・シャドー”“とうこうのはて”と、アップテンポな楽曲を続ける。MCは曲名を告げたり、曲間に「楽しんでいきましょう」と声をかけたりと、必要最低限。オーディエンスとコミュニケーションをとったり、場を盛り上げたりするよりも、とにかく音楽をステージで鳴らすことに100%徹している感じだ。エンターテイナーとしての精神性ではなく、その真摯さ、そして歌の強度に求心力のあるミュージシャンシップを感じる。

ラストは“猿上がりシティーポップ”。BPMの速い4つ打ちのナンバーで、キメのフレーズではサポートのドラマーと目を合わせプレイ。髪を振り乱し、叫ぶ。オーディエンスは拳を上げて熱いパフォーマンスに応えた。

ギターを高く掲げ、ガッツポーズをして、ステージを降りた秋山黄色。おそらくこの先さらなる成長を遂げていくだろう。逞しい第一歩だった。

テキスト=柴 那典

セットリスト

1. スライムライフ
2. やさぐれカイドー
3. ドロシー
4. クラッカー・シャドー
5. とうこうのはて
6. 猿上がりシティーポップ

撮影=小見山 峻

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