VIVA LA ROCK 2019

5.4 SAT 14:55-15:35 GARDEN STAGE
Awesome City Club

オーサムが運ぶ5月の風
自信溢れる5人の姿に彼らの未来を見た

今年のタイムテーブルを見た第一印象として、「オーサムがガーデンで大丈夫?」という不安があった。なぜなら、彼らはつい最近、新木場STUDIO COASTワンマンを成功させたばかりだから。予感は的中。スタート前からフィールドはパンパン。両脇の階段を上がったところにも人だかりができていた。でも、野外の開放的な雰囲気のなかで彼らのライブを楽しめるのはお得でしょう。

ストリングスの音色が美しいディスコチューン“Don’t Think, Feel”が、涼しい風が吹き抜けるガーデンに映える。楽曲の心地よさに呼応するように、観客の手が続々と空に向られた。atagi (Vo&G)は「季節外れの冬の曲」と紹介していたが、“青春の胸騒ぎ”もスッと場の空気に溶け込んでいる。“クリエイティブオールナイト”では、声の強さで押すマツザカタクミ (B&Syn&Rap)と、クールにリリックを届けるPORIN (Vo&Syn)による対照的なラップの掛け合いが楽しい。マツザカの曲紹介にもあったように、「ねっとりとした」演奏が夏の到来を感じさせた。

野外ということで迫力のバンドサウンドを存分に鳴り響かせるわけにはいかないが、その分、各メンバーの演奏をしっかり堪能できた。オーサムサウンドの根幹を担うマツザカのベースは、細かいフレージングで跳ねるようなグルーヴを生み出し、ユキエはシンプルながらも正確なドラミングでボトムを支える。モリシー (G&Syn)はソロパート以外で派手に前へ出てくる機会は少ないが、音のすき間をハッとするようなフレーズで埋めていく。そして、atagiとPORINによる2トップ。このツインボーカルがハモったり掛け合いをすることによって、楽曲をよりカラフルなものにしていく。

そんな彼らの魅力は、キリンジのカバー“エイリアンズ”でも見事に発揮されていた。イントロというよりも、最初の一音が鳴らされた瞬間にフィールドから絶叫があがったぐらいの人気曲を、原曲のアレンジを大事にしつつも、随所で独自の解釈を加えることでオーサム色に染め上げていた。
 
最後に演奏したのは最新作に収録されているポップナンバー“Catch The One”。35分という短い時間だったが、演奏環境に合わせた選曲かつ、きっちりと展開をつけた流れで観客を楽しませた手腕は見事。大規模なワンマンツアーを回った末に獲得した自信がみなぎるステージだった。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. Don’t Think, Feel
2. 青春の胸騒ぎ
3. クリエイティブオールナイト
4. 君はグランデ
5. SUNNY GIRL
6. エイリアンズ
7. Catch The One

撮影=小杉 歩

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