VIVA LA ROCK 2019

5.3 FRI 16:35-17:15 VIVA! STAGE
Base Ball Bear

見せつけまくった地肩の強さ
3ピースのベボベがすごい!

昨年で初年度から続いていた連続出場は途切れてしまったものの、この1年は彼らにとって非常に重要な期間だった。3ピースになってからVIVA! STAGEには2度出演しているが、2016年は田渕ひさ子、2017年は弓木英梨乃をサポートに迎え、実質的には4ピースとしてライヴを実施。しかし、2018年からは文字通り3ピースとしてのライヴを志向し、ツアーを繰り返してきたのである。そんな変化の季節を経て、自身のレーベル「DGP RECORDS」を設立。3ピースとしての本当の始まりを宣言して、VIVA LA ROCKに帰ってきたのだ。

XTCをSEに3人がステージに姿を現し、「Base Ball Bearです」という挨拶から始まったのは、初期曲の“ドラマチック”。しかし、演奏そのものはかつてのものとはまるで違う。何よりリズム隊のボトムがどっしりとしていて、とにかく音が太い。2人の安定した演奏に支えられて、小出祐介もバッキングとソロを一人でしっかりと担っている。これがドラマチックな道のりを経た、現在のBase Ball Bear。変わらないのはピョンピョンと飛び跳ねる関根史織の姿くらいか。

「今日の出演者の中で一番年上がACIDMANで、僕らは二番手。中堅の地肩の強さを見せられればと思います。初めて見る人は名前だけでも覚えて帰ってください」と、一人ずつ自己紹介を始めたのはユーモラスなシーンだったが、これは紛れもなく「3ピース」としての大真面目な選手宣誓。実際この次に演奏された“ポラリス”は堀之内大介もボーカルをとり、3人のソロ回しを含んだプレイヤーとしての自己紹介ソングだ。そして、小出と堀之内の演奏もさることながら、指弾きとピック弾きを巧みに使い分ける関根のベーシストとしての充実ぶりが3ピースとしての肝だと感じる。

“short hair”はドライヴ感が増し、“Tabibito In The Dark”のダンスビートもとにかく重厚。極めつけが関根の技巧的なベースラインが引っ張り、小出がラップをするファンクナンバー“PARK”で、これがとにかくグルーヴィ。小出のストラトによるクラプトンばりのブルージーなギターソロも渋いし、堀之内のおかず一つひとつも硬質かつタイトでかっこいい。

「ヒップホップの人たちが出るのは明日しかないので、今日はヒップホップマナーを僕らが独り占めですね」と、コール&レスポンスから始めた“The Cut”にしても、途中までギターは弾かずに、小出のラップとリズム隊の演奏だけで完全に成り立っている。こんなかっこいいライヴを見せておいて、ラストはいかにもベボベらしい青さを感じさせる“PERFECT BLUE”で締め括ったのも憎い。まあ、それでもすっかりたくましくなった地肩は隠せてなかったけど。それが何より最高だ。

テキスト=金子厚武

セットリスト

1. ドラマチック
2. ポラリス
3. short hair
4. Tabibito In The Dark
5. PARK
6. The Cut
7. PERFECT BLUE

撮影=古溪一道

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