VIVA LA ROCK 2019

5.3 FRI 12:20-12:55 CAVE STAGE
BURNOUT SYNDROMES 

4つのラッキーアイテムがもたらした
情熱を歌い上げ「燃え尽きる」熱狂空間

3年ぶりのビバラ出演となるBURNOUT SYNDROMES。大阪発3ピースの何よりの魅力は、文学性を持った楽曲だけでなく、人懐っこいキャラクターと、一つひとつのライブに凝ったコンセプトと演出をもって臨むパフォーマンスだろう。だからこそ、情熱をストレートに「燃やし尽くす」彼らのギターロックが活きてくる。

特に目立っていたのは、自ら「ベース、コーラス兼総合司会」と名乗る石川大裕(B&Cho)だ。彼はセットチェンジの時間にもひとりでステージに登場し、お笑い芸人ばりの前説を担当。さらに登場時のSEでは「春生まれのあなたのラッキーアイテムは頭の上で手拍子」などと、朝のニュース番組の占いコーナーを模したアナウンスを披露。初めて彼らを観るだろう人も、登場前からすっかり仲間に引き込んでいる。

しかもそのアナウンスがちゃんとライブ本編の伏線になっているのがポイントだった。1曲目“花一匁”をプレイし、「大阪からあなたと真剣勝負しにやってきました」と熊谷和海(Vo&G)が告げると、続けては“文學少女”“Melodic Surfers”“PIANOTUNE”“月光サンタクロース”という、それぞれ春夏秋冬をモチーフにした4曲をメドレーでプレイ。最初のアナウンスで告げた「頭の上での手拍子」「タオル」「Bメロでジャンプ」「両手」という春夏秋冬のラッキーアイテムが、それぞれの曲でオーディエンスと一体感をもたらすキーワードとして機能していた。

その一方で、作詞作曲を手がける熊谷の綴る小説をベースにしたドラマティックな情景描写の言葉、そして高らかにメロディを歌い上げ感情の動きを生々しく伝えてくる歌声も、バンドの大きな魅力だ。後半は“FLY HIGH!!”、“ヒカリアレ”と、胸を奮い立たせるようなメッセージ性を持つ楽曲を全力でプレイする。曲中では石川が「俺達のラッキーアイテムは、年がら年中、あなたなんです!」と呼びかけ、確かな熱でCAVE STAGEを満たしていた。

演奏を終えると主催スタッフから、この日が誕生日の石川にサプライズのバースデーケーキが送られる一幕も。「一生分祝ってもらえた気がします」「人生最高の誕生日だった!」と笑顔を見せていた。今年12月20日にはバンド史上最大規模となるZepp Tokyoでのワンマンが決まっている。駆け上がっていくバンドのみずみずしい勢いを感じられた。

テキスト=柴 那典

セットリスト

1. 花一匁
2. 燃えつきメドレー
 a. 文學少女
 b. Melodic Surfers
 c. PIANOTUNE
 d. 月光サンタクロース
3. FLY HIGH!!
4. ヒカリアレ

撮影=小杉 歩

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