VIVA LA ROCK 2019

5.4 SAT 13:30-14:05 CAVE STAGE
FIVE NEW OLD

アジアツアーより凱旋!
より大きくなったFINOが初ビバラでフロアを埋め尽くす

彼らの前にCAVEを沸かしていたTHE CARM PARKのパフォーマンスを終えた直後から、すでに多くのファンがステージ前に集まっていた。これが7本に及ぶアジアツアー終了後、初となるライヴということもあるが、そんなこと関係なしにFIVE NEW OLDの注目度が最近とにかく高い。何か大きなきっかけがあったわけではなく、ライヴの力でじっくりと時間をかけてのし上がってきた結果だ。リハ中にもかかわらず、次々とCAVEに人がやってくる様子は、近年のバンドの勢いを象徴しているかのようだ。「前にお詰めください!」という係員による必死なアナウンスがなんだか誇らしい。

青く照らされたステージに現れた4人が最初に鳴らしたのは“Black & Blue”のイントロ。80~90年代のポップスを思い起こさせる優しいサウンドと美しいハーモニーに合わせて、観客の頭が心地よさそうに揺れる。フロア後方では、ノリのよさそうなキッズたちが手を掲げながら嬌声を上げている。心の赴くままに自由に音楽を楽しめる空気が早くもCAVEを満たしていた。いや、待て。もしかするともう「自由に」とはいかないかもしれない。フロアはすでにかなりパンパンで、身動きが取りづらくなっている。

FINOは元々、センスのいい楽曲を作っていた。イントロが鳴った瞬間に歓声が上がった“Sunshine”もリリースは昨年だが以前から人気の高い曲だ。何がここまでバンドの人気を高めたのか考えると、やはり、フロントマンHIROSHI (Vo&G)の覚醒が大きいのではないか。以前はもうちょっとバンドマン然としていたが、ここではFIVE NEW OLDという名のパーティーを取り仕切る、マスター・オブ・セレモニーとしての自覚が高まっている。フロアと正面から向き合い、フロアを先導する姿が非常に頼もしい。

演奏にも変化が見えた。特にSHUN (B&Cho)とHAYATO (Dr&Cho)によるリズム隊は楽曲によってプレイの印象が異なる。“Liar”のようにロックな楽曲ではダイナミックに、“Gotta Find A Light”のようなダンスチューンではビートをタイトに。そうすることでFINOのパーティーをよりカラフルに彩ることに成功していた。ギターとキーボードを器用に弾き分けるWATARU(G&Key&Cho)の存在もかなり大きい。

言葉の通じない海外でどうやって観客とコミュニケーションを取るのか――それは他でもない音楽なんだ、というシンプルな答えに到達したことを感じさせる振り切れた演奏と、万国共通の言語「音楽」の力を再認識した4人の高い意識。これで超満員のフロアが盛り上がらないわけがない。

様々なタイプの楽曲をプレイしながらも、ライヴのテンションは全く変わることはなかった。自分たちが何を見せるべきかわかっているかのような自信に満ち溢れたパフォーマンスだった。HIROSHIは冒頭で「今日、この場所を一番ハッピーにしよう!」と宣言していたが、まさにその通りになったのである。“By Your Side”の最後に聞かせた力強いロングトーンに、35分におよぶ幸福な時間のすべてが集約されていた。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. Black & Blue
2. Ghost In My Place
3. What’s Gonna Be?
4. Sunshine
5. Liar
6. Gotta Find A Light
7. By Your Side

撮影=小見山 峻

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