VIVA LA ROCK 2019

5.3 FRI 14:50-15:25 GARDEN STAGE
藤井 風 

YouTubeのカヴァ―動画が話題の若きピアノマン
椎名林檎からオリジナルまで多彩なレパートリーを披露

GARDEN STAGEに初登場するのは、中学の頃からアップしていたカヴァー動画がYouTubeでのトータル再生回数1000万回以上という話題のピアノマン・藤井 風。絶対音感の持ち主で、カヴァーはすべて耳コピなのだという。まだ20代前半という若さで、高身長のイケメン、動画ではコミカルな一面も見せ、もちろん何より音楽が魅力的という実にタレンテッドな存在であり、彼の姿をひと目見ようと多くのオーディエンスが集まった。

歓声が上がる中ステージに登場し、おもむろに鍵盤を触ると、1曲目に披露されたのはLady GagaとBradley Cooperによる“Shallow”。渋みのあるソウルフルな歌声が特徴ながら、国内外の女性ポップスターを多くカヴァーしているのが特徴で、2曲目は彼のカヴァー動画の中でもとりわけ人気の高い椎名林檎の“丸の内サディスティック”。ちょっとぶっきらぼうな不良っぽい雰囲気と、ジャジーなプレイが椎名の曲にとにかくハマっている。

「ぼっけえ暑いってわかります? もの凄い暑いってことです。こんなに集まると思ってなかったんで、嬉しいです。最後までよろしくお願いします」と出身の岡山弁も交えた挨拶を済ませるとこちらも彼の主要レパートリーであるTaylor Swiftの“Shake It Off”へ。「わし」という一人称のMCが独特の風情を醸し出しつつ、続いて届けられたのはオリジナルの“優しさ”。これがカヴァー曲にも負けず劣らずのいい曲で、シンガーソングライターとしての資質も十分ありそうだ。

再び人気のカヴァー動画の中から、「“おどるポンポコリン”を大人っぽくアレンジした」という、その名も“アダルトちびまる子さん”。ジャジーなアレンジにすることで、<ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパ>が味のあるスキャットに聴こえるという目から鱗な1曲。さらには、「意識してないけど、歌い方が似とると言われる人の曲」とORIGINAL LOVEの“接吻”を歌い、こちらもばっちりハマっていた。田島貴男は明日のGARDEN STAGEに出演するという偶然も面白い。

「最後にオリジナルを2曲」と言って披露されたのは“何なんw”と“帰ろう”。今度はちゃんとしたスキャットを交えた軽快な“何なんw”、しっとりしたバラードの“帰ろう”、どちらもメロディラインが耳に残る曲で、バンドセットでも聴いてみたいと思わされた。YouTube出身という現代性と、それが故の規格外な存在感は非常に面白く、今後のキャリアが何とも気になる。

テキスト=金子厚武

セットリスト

1. Shallow(cover)
2. 丸の内サディスティック(cover)
3. Shake It Off(cover)
4. 優しさ(original)
5. アダルトちびまる子さん
6. 接吻(cover)
7. 何なんw(original)
8. 帰ろう(original)

撮影=小杉 歩

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