VIVA LA ROCK 2019

5.5 SUN 14:50-15:25 VIVA! STAGE
ハルカミライ

一番の思い出を刻みつけた
5月5日はハルカミライの日!

あまりにもエモーショナルで、あまりにも実直で、あまりにもまっすぐなロックンロールが鳴り響いたハルカミライのVIVA! STAGE。「本気出すぜ! 本気出すぜ!」と、橋本学(Vo)が大きくシャウト。1曲目の“君にしか”からありあまる熱量が爆発している。徐々にとか、ゆっくりと、なんて言葉はハルカミライのライヴにはまったく似合わない。オーディエンスもそんな彼らのがむしゃらなパワーに呼応して拳を突き上げ、モッシュに身を投じる。彼らの代表曲のひとつでもある“カントリーロード”がプレイされた時点ですでに涙と汗にまみれてぐちゃぐちゃになっているオーディエンスが数多くいた(かくいう自分も、ライター席で溢れる落ちる涙を抑えきれませんでした)。

勢いがすごすぎて、かなりカオスだった序盤。ステージから客席に飛び込んだ橋本だが、マイクコードが須藤俊(B&Cho)のケーブルと絡まり一旦ライヴが中断。当初は「戻ってこい」的なことを言っていた須藤だが、結局、彼もオーディエンス前の柵まで降りていって、演奏を続行。3曲目の“ファイト!!”では、橋本が曲を間違えるミスを犯す(そして、後半10分持ち時間を余していたということもあり、そこで再度やり直した)。正直、演奏もところどころ走ったりぐちゃぐちゃになったりしていたのだが、そんなことはまったく問題ではない。というか、むしろ彼らがごまかしのない全力の直球勝負で闘ってることの証明にすら思えて、また号泣してしまった。

“俺たちが呼んでいる”、“春のテーマ”と盛り上がりに盛り上がっているオーディエンスたちをさらに煽りあげるように演奏するハルカミライ。マイクスタンドをオーディエンスに預けて歌いつつ、ギターを無理な体勢で弾きまくる関大地(G&Cho)の姿に歓声をあげるオーディエンスを見ながら、ソフィスティケイテッドされた音楽だけが音楽なわけじゃない、エモーションこそが、ロックンロールをロックンロールたらしめるという当たり前のことに今再び気づかされた。

昨年はCAVE STAGEに出演し、無茶をして「ちょっと怒られた」らしい4人。今年もまた呼ばれたことに対して、ビバラに感謝の意を伝えながらも、「今年もたくさん迷惑かけて、歌って帰ります!」と宣言。いたずらっ子というか、もはや手がつけられない。でも、ロックンローラーなんだからそれでいいのだ。

“世界を終わらせて”でオーディエンスから大合唱が巻き起こった様子、“それいけステアーズ”で橋本がダイブしてきた少年と拳を付き合わせた様子、“Tough to be a Hugh”でステージに寝転びながらも楽器をかきむしるメンバーの様子、後方にいたオーディエンスがどんどん前方のアリーナに飛び込んでいき盛り上がりが最高潮に達した‟エース”……それら一つひとつのエモーショナルな瞬間のどれもが「ただただあなたとコミュニケーションしたいんだ」という、ハルカミライの真摯な想いの表れであるように見えた。

ラストに演奏されたのは、“アストロビスタ”。アカペラで歌い出した橋本の歌声に涙腺が完全崩壊。「流れ星はVIVA LA ROCKの中に」と、歌われた歌詞に大きな歓声が上がる。

「なぁ、VIVA LA ROCK、聞いてくれよ。これは景色じゃねぇんだ。いい眺めだなんて、口が裂けても言わねぇぜ。これは人だぜ! 俺だぜ! 平成最後のとか、令和最初のとか全然欲しくねぇんだよ。俺たちは一番の思い出が欲しいんだ!」――曲中、そう力強く叫んだ橋本。音楽を通して、あなたと語り合いたいと希求し、それを実現したハルカミライは、この日集まった人々の心に確かに消えない爪痕を残した。

テキスト=小田部 仁

セットリスト

1. 君にしか
2. カントリーロード
3. ファイト!!
4. 俺たちが呼んでいる
5. 春のテーマ
6. 世界を終わらせて
7. それいけステアーズ
8. ファイト!!
9. Tough to be a Hugh
10. エース
11. アストロビスタ

撮影=古溪一道

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