VIVA LA ROCK 2019

5.6 MON 13:50-14:30 STAR STAGE
HEY-SMITH

「自分のやりたいことをやれ!」
VIVA!で己の生き様を見せつけた6人

HEY-SMITHが4年連続でSTAR STAGEに臨んだ。これって何気にすごいことじゃないか。6年連続STARという10-FEETやSiMみたいなバンドもいるが、HEYの場合は大きなメンバーチェンジがあった翌年からの快進撃。

オリジナルのオープニングムービーが流れ、ステージに現れたHEYの面々。猪狩秀平(Gt &Vo)はステージ前に進み出て、来いよ来いよとばかりにフロアを煽る。そして、ホーン隊によるひと吹きに観客はすぐさま歓声を上げた。“Dandadan”だ、すっかりお馴染みのオープニングに、ハンドクラップ、クラウドサーフ、シンガロングといった様々な方法で観客は喜びを表現。ステージ上でも、上半身裸の満(Sax)が縦横無尽に暴れ回る。

「お前ら、やりたいことやってるか~!」という猪狩の呼び掛けとともに始まったのは秀逸なメロディが光る、激しくも温かい“Don’t Worry My Friend”。歌詞はわからなくても、サビで<Don’t worry my friend>と誰でも口ずさめるのが楽しい。続く“Radio”もそうだ。「Radio Radio Radio Radio Radio」と連呼するだけでこんなに気分が高揚することもないだろう。HEYの楽曲は楽しいばかりではなく、シリアスなテーマを歌ったものも多いが、それらすべてを飲み込んで誰でもウェルカムな雰囲気を生み出すのはメンバーの人間性によるところも大きいだろう。

ダビーな演奏で脳内麻薬をドロドロに発生させた“Fog And Clouds”、大きなサークルピットを生み出した“Drug Free Japan”、思わず口ずさみたくなる“California”など様々なタイプの楽曲でHEYの世界の広さを示すなど、ライヴはテンポよく進んでいるように見えたが、“Summer Breeze”ではイントロのギタープレイに納得いかなかった猪狩がいったん演奏を止め、何もなかったかのように演奏し直すというひと幕も。

メンバーに盛大に煽られ、「オイ!オイ!」と観客が大声を上げるなか、高速スカパンクチューン“We sing our song”で早くも終盤に突入。そして、「いくらネットが進化したって、俺たちのこの空間は絶対にダウンロードできない!」という猪狩の叫びとともに始まった“Download Me If You Can”。この曲をライヴで聴くたびにいつも深く頷いているのだが、それはHEYのライブが、音楽の生の現場が、PCの前にいても一生味わえないものだということをいつも実感できるから。

今日、猪狩は「やりたいことをやれ」と言い続けてきたが、その真意は最後のMCで明かされた。褒められることよりも叩かれることに注目が集まる世の中になってしまったけど、人に何を言われてもいい。自分のやりたいことをやれ。失敗してもいいから100%でやれ、と。そして、「失敗しても俺らはライヴハウスで待ってるから」と約束し、ラストに“Goodbye To Say Hello”をプレイした。

長かった10連休も終わりに近づき、明日から再び始まる日常が頭にちらつき始めているが、彼らのパフォーマンス、アティチュードを浴びているうちに、「ま、なんとかなるか」とポジティヴになれた瞬間がなんだかうれしかった。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. Dandadan
2. True Yourself
3. Don’t Worry My Friend
4. Radio
5. Fog And Clouds
6. Drug Free Japan
7. California
8. Theme Of HEY
9. Summer Breeze
10. We sing our song
11. Download Me If You Can
12. Goodbye To Say Hello

撮影=釘野孝宏

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