VIVA LA ROCK 2019

5.5 SUN 17:25-18:00 CAVE STAGE
神聖かまってちゃん

かまってちゃんがビバラに帰還!
超満員のフロアを強靭なオルタナティヴロックで圧倒

神聖かまってちゃんがビバラになんと5年ぶりの登場。5年も経つとビバラの雰囲気もだいぶ変わって見えるのではないか。リハではの子(Vo&G)がサウンドチェック代わりに「ビーバーラ!」のコール&レスポンスを観客に求め、「お前ら、よろしくな!」と挨拶。そして、リハ曲として“知恵ちゃんの聖書”をプレイ。いやあ、もうこれ、観客のノリも含めて完全に本番じゃん。袖にはける前、「けっこう人いるな!」との子は驚いていたけど、けっこういる、なんてもんじゃない。これはもうパンパンの一歩手前。親子席はすでに満員札止めである。期待値の高さが半端じゃない。かまってちゃん5年ぶりのビバラライヴはこんな状態で始まったのである。

「お前ら、声出していくぞ! “23才の夏休み”!」というmono(Key)の第一声からライヴはスタート。正直、この次のバンドを待っている人も多いのかと思ったが、いやいや、ごめんなさい。凄い盛り上がりです。あまりの凄さにmonoも鍵盤を放棄し、ステージ前に進み出て、「もっと盛り上がれ」とばかりに両手でフロアを大きく煽る。夕方になって気温が下がってきたが、あまりの熱気に上着を脱ぎだす観客も。

虹色の照明にドギツく照らされながらの子が歌う“ぺんてる”に続いては“ねこラジ”。ここではちばぎん(B&Cho)による細かいフレージングと巧みな技術が冴え渡った。神聖かまってちゃんというバンドは坂道から転がり落ちるような自暴自棄なテンションが魅力だと思っていたし、実際そういうライヴを過去に繰り広げてきたが、そのイメージを更新しなければならない。今にも崩れそうでいて、その一歩手前で踏みとどまる演奏は予測不能でスリリングだし、それが最高にカッコいい。「肉は腐りかけが美味い」っていうのと同じ理論だ。こんなの狙ってできることじゃない。素晴らしいオルタナティヴロックバンドへと彼らは成長したのである。

この奇跡的なバランスと最高潮に到達したテンションで鳴らす“ロックンロールは鳴り止まないっ”がどれだけ盛り上がったことか。「頭おかしくなれ!」との子は叫んだが、こっちはとっくに狂ってる。10年近く前に世間を賑わせた曲は別物に生まれ変わっていた。

フロアから「え~!」の大合唱が起こるほど体感速度最速なライヴのラストを飾ったのは“フロントメモリー”。しかし、最後の最後にもうひと盛り上がり。の子の音頭で「精神開放」を促された観客が一斉に「うわぁぁぁぁ~!」の大絶叫。こういうのってけっこう恥ずかしいものだけど、ライブの興奮がみんなのリミッターを外していた。ステージ前だけでなく、後ろの後ろまでみんな一緒に「うわぁぁぁぁ~!」。来年はVIVAかSTARでもう一度叫ぼうぜ。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. 23才の夏休み
2. ぺんてる
3. ねこラジ
4. 肉魔法
5. ロックンロールは鳴り止まないっ
6. フロントメモリー

撮影=小見山 峻

FLASH REPORT TOP