VIVA LA ROCK 2019

5.5 SUN 18:35-19:15 VIVA! STAGE
KANA-BOON

ビバラにKANA-BOONあり!
期待に応える横綱相撲でVIVA!のラストに華を添える

ビバラ初年度から毎年重要な位置を任されることの多いKANA-BOON。過去には2年連続で初日のSTARのオープニングを任されることもあった。それだけ主催者側からの信頼が厚いということ。そんな彼らが今年担当することになったのは、初年度同様、VIVA!のトリ。バンドとしては「どんと来い」ってなもんだろう。

ステージが暗転するなか登場した4人が鳴らしたのは名曲“シルエット”の力強いイントロ。過去、ライヴ終盤で演奏されることが多かった曲だが、昨年あたりから1曲目にぶつけてくることが多い。疾走感たっぷりの“フルドライブ”で始まるのも好きだが、こういうエモーショナルな幕開けもいい。やはり、この曲が持つパワーはすごい。場内があっという間にひとつになる感覚が伝わってくる。

「ありがとう!」という谷口鮪(Vo&G)の短い挨拶のあとは、勢いを途切れさせないようにすぐさま“ウォーリーヒーロー”、そして“ハグルマ”へとテンポよく展開。曲が進むに連れて演奏の一体感がさらに高まり、ロックがロールする状態へと突入していく。

定番曲や人気曲の乱れ打ちで今日の方向性を示してからは、キャッチーなメロディが優しく響く“ネリネ”で変化をつける。その次の“結晶星”もそうなのだが、優しいのはメロディだけで、演奏はゴリゴリに分厚く、ハイ、ミドル、ロー全ての音域にみっちり詰まった音塊がフロアに襲いかかる。そういう流れの中で、特徴的な楽曲構成になっている人気曲“盛者必衰の理、お断り”を投入してくるのは実に効果的だ。そして“フルドライブ”で再びギアを上げ、ラストへ向かって全力疾走。常にピークを突いた選曲ながら、絶妙な変化でこちらを飽きさせない。

終盤は主催者への感謝を伝えつつ、観客へも自分たちの思いを届けようと“バトンロード”を鳴らした。<未来を君と追い抜いて 見たいのさ この目で新章を>と観客の背中を力強い歌声で支え、最後に6月リリースの新曲“まっさら”をプレイ。今、TVアニメ『さらざんまい』でもオンエア中のこの楽曲は、近年のシングル曲のなかでは出色の出来栄え。一度聴けば覚えられるサビのメロディは多くの人の心を掴むことになるはずだ。

トリだからといって気負うことなく、自分たちにできることをやりきった4人のパフォーマンスは、愚直にロックと向き合うものとなった。バンド、ビバラ、観客による固い絆がこの美しき一体感を生み出したのだ。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. シルエット
2. ウォーリーヒーロー
3. ハグルマ
4. ネリネ
5. 結晶星
6. 盛者必衰の理、お断り
7. フルドライブ
8. バトンロード
EN. まっさら

撮影=古溪一道

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