VIVA LA ROCK 2019

5.4 SAT 12:05-12:45 STAR STAGE
King Gnu

新時代のスタジアムロックバンド
King GnuがSTAR STAGEを席巻!

今最も勢いのある日本のロックバンド。彼らのことをそう評価することに、もはや何の説明もためらいもいらないだろう。昨年のCAVE STAGEから飛び級でのSTAR STAGE登場は、この一年での状況の変化を明確に示すもの。もしくは、今日本で起こりつつあるポップの地殻変動をリプリゼントするビバラの2日目を象徴するのが、彼らの存在だと言ってもいいかもしれない。期待でフロアがパンパンに膨らむ中、いよいよKing Gnuの登場だ。

バンドのロゴが背景に投影される中、メンバーがゆっくりとステージに姿を現し、一曲目は“Slumberland”。鋭い目つきの常田大希が拡声器で歌いながらステージを練り歩き、リズム隊がうねりのようなグルーヴを生み出すと、ビッグなコーラスで大合唱が巻き起こる。そもそもKing Gnuは常田のスタジアムロックへの憧れからスタートしたバンドであり、今年からスタジアムモードとなったSTAR STAGEに彼らの楽曲はバッチリハマっている。ピースサインを掲げる常田の風格は、まさに新しい時代のスタジアムロックバンド誕生を感じさせるものだ。

疾走感の気持ちいいロックナンバー“Sorrows”に続いて、勢喜遊の叩き出すヒップホップビートに乗せて始まったファンキーな“Vinyl”では常田がオルタナ感たっぷりのギターソロを響かせたりと、ジャンル横断的な魅力がありながら、早くもKing Gnuというジャンルを確立したような感もある。そして、今まさに広く世間から注目されている“白日”へ。まずは井口理がハイトーンで紡ぐメロディーの美しさに耳を奪われるが、このテンポでグルーヴを生み出すリズム隊もやはり素晴らしい。スケール感たっぷりの堂々たるミドルバラードに、会場中から盛大な拍手が贈られた。

サンプリングパッドを用いた勢喜のドラムによる、ビートミュージック的なアプローチから“Flash!!!”に突入すると、再びフロアが大爆発。新井和輝が軽快に飛び跳ね、勢喜がパワフルに叩きまくり、井口が狂ったように暴れ回る狂乱のステージが繰り広げられる。さらには、再び会場全体でシンガロングが起こった“Prayer X”から、常田のクラシカルなピアノに導かれて“The hole”へ。メンバーそれぞれが自らのプレイに没頭し、井口が痛切なメロディーをエモーショナルに歌い上げると、深い感動に包まれた。ラストの“Tokyo Rendez-Vous”では新井のぶっといベースプレイに乗って、ステージ前方に出てきた新井が腰を振る挑発的なパフォーマンスで盛り上げると、アウトロにはThe White Stripesの“Seven Nation Army”のリフをぶっこむという大ネタ使いの反則技も。早くも貫禄すら感じさせるステージングで、STAR STAGEを席巻してみせた。

テキスト=金子厚武

セットリスト

1. Slumberland
2. Sorrows
3. Vinyl
4. 白日
5. Flash!!!
6. Prayer X
7. The hole
8. Tokyo Rendez-Vous

撮影=釘野孝宏

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