VIVA LA ROCK 2019

5.3 FRI 17:00-17:35 CAVE STAGE
LAMP IN TERREN

復活と蘇生を遂げたバンドが見せた
存在証明のロック

「生まれ変わった気持ちでここに来ました」

松本大(Vo&G)はこう語った。ビバラには2年ぶりの出演となるLAMP IN TERREN。「フェスでしか僕らを観てなかった人は、全然違うバンドになったと思うかもしれない」とMCで松本は言っていたけれど、まさにその言葉どおりのステージだった。泥臭く、生身の熱をぶつけ合う、すさまじい迫力に満ちたライブだった。

1曲目に選んだ“New Clothes”を歌い終え、ギターを高く掲げた松本は「会いたかったぜ!」と叫ぶ。バンドは昨年、松本の声帯ポリープ除去手術のため4月より活動休止を余儀なくされていた。そして8月の復活ライブを経て、昨年12月には新作アルバム『The Naked Blues』をリリースしていた。

「自分は今26歳なんですけれど、活動休止のときに1回死んだと思ってて。25年やってきたことがゼロになった感じがあったんです。精神的にも自信がないままやってきた結果、自分の意志がなくなってしまった。だから今、25歳と1歳みたいな感覚なんです」と、松本は昨年にあった出来事を振り返る。

以前は繊細なセンチメンタリズムやロマン性を持った歌心を感じさせていたバンドだったが、新作を経た今の彼らは、とにかくフィジカルな「強さ」を前面に押し出すバンドに化けていた。“Water Lily”に続けて「心を鳴らしていこうぜ、かかってこいや!」とオーディエンスを熱く煽りプレイした“凡人ダグ”では、松本の歌も叫び声のように響

「絶対負ける気がしないんで、俺よりデカい声を出してください」と呼びかけてシンガロングを巻き起こした“オーバーフロー”、CAVE STAGEにぎっしり集ったオーディエンスが飛び跳ねた“地球儀”と、その熱は確実にステージからフロアへと伝わっていた。

最後に松本は「愛されたいです。売れたいです。大きいステージに行きたい」と、素直な思いを語った。自分達の現状に悔しさを抱えていることも、率直に告げた。それでも今は自分自身が思うように生きているということを語り、そして「一生懸命歌うことしかできないけれど、俺は今、自分の音楽、自分自身の人生が最高だと思ってます」と熱っぽく話した。

その言葉には、たしかな説得力があった。今のLAMP IN TERRENが鳴らすロックは、いわば、存在証明そのものだった。

ラストは“BABY STEP”。「必ず、いい曲を作って、たどり着くので」と松本は言った。その言葉に賭けてみたい、と感じた。

テキスト=柴 那典

セットリスト

1. New Clothes
2. Water Lily
3. 凡人ダグ
4. オーバーフロー
5. 地球儀
6. BABY STEP

撮影=小見山 峻

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