VIVA LA ROCK 2019

5.6 MON 10:00-10:35 CAVE STAGE
LUNKHEAD

20周年を経て、その先へ
LUNKHEADが見せつけた歴史

4日間続いた音楽の祭典もいよいよ今日が最終日。CAVE STAGEのトップ・バッターを務めたのは今年結成20周年を迎えたLUNKEHADだ。午前中の早い時間からのライヴだったにも関わらず、1曲目の“前進/僕/戦場へ”から全力でボルテージの高い演奏をフロアに叩き込む4人。山下壮(G)のディレイのかかったギターの早いパッセージが空気を切り裂いていく。

日本のロックンロールを愛する人ならば、LUNKHEADはほぼほぼ確実に聴いたことがあるだろう。思えば、筆者も中学生の頃、LUNKHEADの“白い声”を着メロにしていた。20年とは一つの歴史である。このVIVA LA ROCKに出演しているバンドの多くも彼らから大きな影響を受けてきただろう。4人の力強くも美しい貪欲な演奏を聴いていると、彼らが刻みつけてきたものの影響力に思いを馳せずにはいられなかった。

ラウドなバンド・アンサンブルがCAVE STAGEを揺らした“体温”、合田悟(B)のファンキーかつ完全にどうかしているベースと地鳴りのような桜井雄一(Dr)に導かれて始まった熱量の高いダンサブルなナンバー“シンドローム”で、盛り上がりは限界を突破していく。
「会いたかったぜ、ビバラ! 誰もおらんかったら、どうしようかと思ってたわ(笑)。10-FEETや四星球を観に行ってくれてもよかったんだけど、よくぞ俺らを選んでくれた! みんなのビバラは始まったばっかりやけど、俺らのビバラは終わっちゃうから。もっと愛し合おうぜ、ビバラ!」

小高芳太朗(Vo&G)の熱いMCの熱量そのままに、全力で“朱夏”をプレイする四人。これまでのLUNKHEADも最高だけど、これからのLUNKHEADはもっとスゴい。20周年を経てもなお、彼らがロックンロールのど真ん中を狙っていこうという気概を感じる。小高の歌声が実にセクシーに、グラマラスに初夏のCAVE STAGEを朱く燃やす。最高だ。

攻撃の手を緩めることなく、ライヴはクライマックスへ。“アウトマイヘッド”では、LUNKHEADの鋭い刃のような演奏に完全に頭のおかしくなったオーディエンスが異常な盛り上がりを見せる。<つまらないこと面白くして笑おうぜ>――この祝祭の四日間が終わった後も、LUNKHEADの音楽を聴きながら、退屈な日常をワクワクする毎日に変えて、ぼくらはまた明日から生きていくのだ。

「ほんま今日はどうもありがとう。笑って聴いていてくれていることが、何よりも嬉しかったです。LUNKHEADでした」と言って、最後に演奏されたのは“はじまれ”。人間の感情を音にしたら、こんなロックンロールができる――混沌と美しさが同居するLUNKHEADの音楽は人間という存在のすべてが描かれているように思う。

終演後にはステージ上で20周年を讃え、巨大なケーキがプレゼントされた。「21周年、22周年にもビバラに帰ってこられるように頑張りますので、よろしくお願いします!」と、決意の言葉通り、またVIVA LA ROCKに帰ってきてほしいと切に願う素晴らしいライヴだった。 

テキスト=小田部 仁

セットリスト

1. 前進/僕/戦場へ
2. 体温
3. シンドローム
4. 朱夏
5. アウトマイヘッド
6. はじまれ

撮影=小見山 峻

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