VIVA LA ROCK 2019

5.5 SUN 12:45-13:20 CAVE STAGE
眉村ちあき

噂のシンガーソングライター、ビバラに降り立つ
めくるめく超展開でCAVEを翻弄

うわっ! めっちゃ人集まってんじゃん! スタート15分前ぐらいにCAVEに入ると、ステージ前の人口密度がすでに高い。フロア後方でのんびり待っている人もチラホラいるが、ほとんどが「眉村ちあき」という新種のシンガーソングライターの姿をより近くで見ようと前方にギュッと詰めかけている。そして、そんな観客の期待度の高さにしっかり斜め上で応えるパフォーマンスを眉村は初のビバラでカマしたのだった。

宇宙服のようなギンギラの衣装に身を包み、眉村は「初めてのVIVA LA ROCKで何人か新規を捕まえるぞ!」と今日の抱負を絶叫。そして、“ナックルセンス”のトラックをCAVEに鳴り響かせた。熱心なファンが多く集まっているようで、コールアンドレスポンスもバッチリ。それにつられるように、後方の観客の手も徐々に挙がっていく。いい流れだ。

“東京留守番電話ップ”ではGarageBandで作ったミニマルなトラックに乗せてクールなラップ調の歌を届けるが、歌詞の内容は<うんこを生み出した人の生き様なんて/知ったこっちゃないけど>。“スクワットブンブン”では、曲を始める前に観客にスクワットをさせる。前方の観客は従うが、後方は動かない。顔を見なくてもわかる。まだ戸惑っているんだろう。

“荻窪選手権”ではフロアに降り、まずはフロアの下手側にある台によじ登り、自分の存在をアピール。そして、今度はフロアの中央に突き進み、周りにいる観客を座らせ、何度も拳を突き上げながら<月が出た出た>と“炭坑節”をもじったフレーズを歌い上げる。“奇跡・神の子・天才犬!”でもフロアでのパフォーマンスを続け、観客に身を任せてクラウドサーフし、しまいには観客の上に立ち上がり、この性急なポップソングを歌い上げてしまった。まるでBRAHMANのTOSHI-LOW状態だ。

ちなみに、眉村は全てのトラックを舞台中央に置いたMacを操作して流す。なので、フロアで暴れすぎるとステージに戻る前に次の曲が始まってしまうということがある。今日もそうだった。これぞ眉村の通常運転。

しかし、そんなはちゃめちゃな空気は、「私は嫌われることを恐れない人間です」という言葉で始まったMCで一変。彼女は、埼玉のライブハウスで観客が1人もいない状態でライブをしたことがあるという。そんな彼女のパフォーマンスを少し見ただけなのに、対バン相手(眉村いわく、「変なじじい」)から「君、叫ぶ系の人なんだね」とくくられたことが悔しかったそうだ。確かに彼女の突き抜けたキャラクターは様々な偏見を招きがちだが、彼女は周囲のネガティブな言葉や評価に慣れたくないと話した。「悔しいことに慣れたくない」と。

そんなシリアスな流れから眉村はこの日初めてギターを手にし、得意とする即興曲を披露。そのままストレートなバラード“大丈夫”を歌い上げた。これはグッとくるものがあった。しかし、その直後に「バブバブバブ」「オギャー」という雰囲気ぶち壊しなコールアンドレスポンスをぶち上げ、ラストの“ピッコロ虫”を演奏。

大型ロックフェスというアウェイな場を物ともしない彼女の堂々としたパフォーマンスは、決してイロモノとして切り捨てることはできない。今後も賛否両論を巻き起こしていくだろうが、少なくともビバラでは受け入れられた。いつの間にか超満員になっていたフロアと、終演後に彼女へ向けられた大喝采がそれを証明していた。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. ナックルセンス
2. 東京留守番電話ップ
3. スクワットブンブン
4. 荻窪選手権
5. 本気のラブソング
6. 奇跡・神の子・天才犬!
7. 大丈夫
8. ピッコロ虫

撮影=小杉 歩

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