VIVA LA ROCK 2019

5.3 FRI 15:50-16:25 CAVE STAGE
ネクライトーキー

バンドもオーディエンスも
貫き通した、最高の好き勝手!

今年3月に中村郁香(Key)が正式加入し、5人編成で、CAVE STAGEに立ったネクライトーキー。VIVA LA ROCKには今年が初参加である。

「ようこそ」と繰り返し続けるSEに導かれ、ステージに現れた5人。1曲目は“めっちゃかわいいうた”でスタートした。最初からアクセル全開で会場の盛り上がりは一気にフルスロットルに。朝日(G)の堂々たる「ギター、俺!」というコールに一気に歓声が湧く。駄目押しとばかりに曲中の<今は只の平成30年だ!>という歌詞を<今は只の令和元年だ!>と変え、数日前に元号が変わったことをネクライトーキーなりに賀ぐ。これもオーディエンスに大ウケであった。

ボカロPとしても活動していた石風呂こと朝日のクリエイティヴィティが存分に発揮された楽曲の完成度と情報量の高さは言うまでもないが、VIVA LA ROCKという多くのライヴ・アクトが参加するフェスにおいても、ネクライトーキーの肉体的なバンド・アンサンブルの力強さと観る人の耳と目を惹きつけてやまないマッドでポップなステージングは際立っていた。

Blurの“Girls And Boys”をユニコーンがカバーしたらというコンセプトで作られたという“許せ!服部”では、「1・2・3・4」の掛け声で有機的にバンドとオーディエンスが呼応しながら演奏を立ち上げていく(個人的にはZAZEN BOYSや54-71のような化け物級のライヴ・バンドにもつながるスリリングなセッションの醍醐味を感じた)。

MCでは「(VIVA LA ROCKで)曲を聴いてもらえるだけで、めっちゃ嬉しいです」と、VIVA LA ROCK出演に対する感慨を述べながらも、「僕ら手加減してできませんので、好き勝手に暴れます。僕らは好き勝手にやります。最後まで、ひと暴れして帰ります!」という朝日の強気の好き勝手宣言も飛び出した。その宣誓通り、続いてドロップされた“ジャックポットなら踊らにゃソンソン”でCAVE STAGEにいる誰よりもメンバーが楽しんでいたように思った。

どこか民族音楽的な要素も感じさせるダンス・チューン“だけじゃないBABY”では、観客と絶妙なコール&レスポンスもキメてみせる。シニカルでユーモアにあふれていて批評性も感じさせる歌詞を、もっさ(Vo&G)がキッチュでコケティッシュに歌い上げるところも面白い。

続いて披露された“オシャレ大作戦”は中村の奏でるキーボードのオーケストラ・ヒットと、カズマ・タケイ(Dr)と藤田(B)の奏でるビートがグルーヴする。またも歌詞を<僕らはVIVA LAでへヘイヘイ>とVIVA LA ROCK仕様に変更。この粋なサービスにオーディエンスから大きな歓声が巻き起こる。

全8曲、最後の“遠吠えのサンセット”に至るまでノンストップで全速力で駆け抜けていったネクライトーキー。来年はCAVE STAGE規模のステージでは観られなくなっているかもしれない。VIVA LA ROCKの歴史に確実に刻まれるであろう、汗水滴る熱気とキュートなマッドネスに満ち満ちた、バンドもオーディエンスも心の底から好き勝手なライヴを披露してみせた。

テキスト=小田部 仁

セットリスト

1. めっちゃかわいいうた
2. こんがらがった!
3. 許せ!服部
4. きらいな人
5. ジャックポットなら踊らにゃソンソン
6. だけじゃないBABY
7. オシャレ大作戦
8. 遠吠えのサンセット

撮影=小見山 峻

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