VIVA LA ROCK 2019

5.5 SUN 12:05-12:45 STAR STAGE
NICO Touches the Walls

3年ぶりの出演で見せた、
変化を続ける貪欲なバンドアンサンブル

3年ぶりのビバラ登場となったNICO Touches the Walls。結成15周年を迎え、もはや中堅からベテランの領域に足を踏み入れつつある彼らだが、ステージで見せてくれたのは、まだまだ変わり続けよう、新しくなろうとする貪欲なバンドの姿だった。卓越した演奏力と息の合ったアンサンブルをベースに、新たな音楽的刺激を取り入れ4人組ロックバンドの新しいフォーミュラを開拓しようとする意志だった。

ステージはカントリーのテイストを取り入れた“天地ガエシ”からスタート。光村龍哉(Vo&G)が高らかに叫び、オーディエンスが大声援でそれに応える。対馬祥太郎(Dr)の転がるような2ビート、坂倉心悟(B)のうねるベースライン、古村大介(G)のグルーヴ感に満ちたギタープレイがオーディエンスを魅了する。4人それぞれのプレイにユニークな個性が宿っているのが彼らのバンドとしての大きな強みだ。

続く“VIBRIO VULNIFICUS”は、ヘヴィなグルーヴに乗せて光村が二拍三連の符割りのラップを聴かせるナンバー。バンドが貪欲に新たな音楽の刺激を取り込んでいることを示す。

6月5日に3年ぶりのニューアルバム『QUIZMASTER』をリリースする彼ら。「新曲をプレゼントします」と告げて、続いて披露したのはその新作に収録される“マカロニッ?”だ。坂倉の奏でるウォーキングベースから始まり、ジャズのテイストも感じさせつつ不定形に展開していくナンバー。光村は中盤でコール・アンド・レスポンスに続けてスキャットも披露、跳ね馬のようなグルーヴを自在にコントロールする。

“ローハイド”に続いては、光村がアコースティック・ギターに持ち替えて、「新作アルバムの中で僕たち4人が一番気に入ってる曲をやりたいと思います」と告げて“18?”をプレイ。ここのところ彼らがリリースしてきた『OYSTER -EP-』『TWISTER -EP-』に続き、新作アルバムの『QUIZMASTER』もバンドスタイルとアコースティックスタイルの2枚組でリリースされる。そういう野心的な試みを繰り広げている今の彼らを象徴するような、ギターロックにルーツ・ミュージックを融合させたオーガニックな躍動感を感じさせるナンバーだ。Mumford & Sonsあたりにも通じるような風合いも感じる。

ラスト2曲も、4人の演奏のダイナミックな魅力を見せる展開だった。 “Funny Side Up!”では古村のブルージーなギターを響かせ、オーディエンスが大歓声を上げた“THE BUNGY”では光村と古村が並んでプレイ。

「また会おうぜ!」と告げてステージを降りた4人は、とても満足気な表情を見せていた。

テキスト=柴 那典

セットリスト

1. 天地ガエシ
2. VIBRIO VULNIFICUS
3. マカロニッ?
4. ローハイド
5. 18?
6. Funnny Side Up!
7. THE BUNGY

撮影=釘野孝宏

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