VIVA LA ROCK 2019

5.4 SAT 11:10-11:50 VIVA! STAGE
SKY-HI

生き様こそが説得力になる
ラッパーにしてロックスターの堂々の降臨

激しく力強いドラム、ヘヴィなギターを従え、DJ+バンド編成の「完全ロックフェス仕様」のスタイルでビバラに登場したSKY-HI。自己紹介もそこそこに彼がまず見せたのが、凄まじい迫力のステージだった。

圧巻だったのは、ずしんと重いベースラインとバンドの演奏に乗せて、畳み掛けるように速射砲のようなラップを叩きつけた最初の15分。“Name Tag”から“Purple Haze”、“As A Sugar”、そして“Walking on Water”まで、メドレーのようなスタイルで次々と楽曲を繰り出していく。彼の生来の魅力でもある人懐っこさをあえて封じ、全力で「勝ちにいく」ストロングスタイルのパフォーマンスだ。特に“Tyrant Island”と“何様”での、緊迫感たっぷりのドラムとラップの掛け合いは目が離せなかった。

一方、コール・アンド・レスポンスでオーディエンスを巻き込んだ“Double Down”からは、彼の持ち味のエンターテイナー精神を全開にしたパフォーマンス。スカパラの名曲にラップを乗せた“Paradise Has No Border”のカヴァーでは沢山のお客さんを踊らせ、“Snatchaway”ではハイトーンのシャウトでショーマンシップを見せる。「派手な曲が続いたから、ここらでチルな曲を」と披露した最新シングル曲“Chit-Chit-Chat”では巧みなダンスも見せる。そしてラストの“ナナイロホリデー”ではオーディエンスに一緒に歌わせ、最後にはフロア全員をしゃがませてジャンプさせ、抜群の楽しさでフロアを満たしていた。

MCでは、ヒップホップやロックやアイドルなど様々なカテゴリを横断するその存在感ゆえにこれまで周囲からネガティヴなこともポジティヴなことも沢山言われてきたと語ったSKY-HI。でも、その経験を踏まえて「周りにどう言われるかじゃなくて、自分がどうあるかってだけで自分の人生が変わっていくんだ。それは自分が証明できたことだから」と熱く語っていた。その言葉に強い説得力を感じさせるステージだった。

2010年代後半の海外、特にアメリカの音楽シーンにおいては「ラッパーこそがロックスター」という時代が訪れている。そういうグローバルな潮流を考えた時に、その“日本代表”となり得るひとりは、きっとSKY-HIだろう。そう信じさせてくれるものがあった。

テキスト=柴 那典

セットリスト

1. Name Tag
2. Purple Haze
3. As A Sugar
4. フリージア
5. Tylant Island
6. 何様
7. Walking on Water
8. Double Down
9. Paradise Has No Border
10. Snatchaway
11. Chit-Chit-Chat
12. ナナイロホリデー

撮影=古溪一道

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