VIVA LA ROCK 2019

5.4 SAT 13:45-14:25 GARDEN STAGE
田島貴男(ORIGINAL LOVE)

全身音楽家の躍動を見せた
「ひとりソウルショウ」の炸裂

「ひとりソウルショウへようこそ!」

笑顔でそう告げてステージに登場したORIGINAL LOVEの田島貴男が見せてくれたのは、まさにミュージシャンシップの塊のようなパフォーマンスだった。アコースティック・ギターをかき鳴らし喉を震わせ歌い上げた1曲目“BODY FRESHER”から、あっという間にGARDEN STAGEのお客さんのハートをわしづかみにしてしまった。

90年代、ORIGINAL LOVEが渋谷系のムーブメントの一角を担った時代から彼を知る人もいるだろう。ceroやSuchmosやペトロールズと対バンを繰り広げ若い世代からリスペクトを集めるようになったここ数年から彼のことを知った人もいるだろう。GARDEN STAGEはフリーエリアだから、名前も知らず通りすがりにふらりと訪れただけの人もいただろう。でも、彼が見せたのは、どんな人であっても楽しめる、躍動感そのもののような歌と演奏。そしてその向こう側に、ソウルやジャズやブルーズや、いろんなルーツ・ミュージックの豊かな素養を感じさせるライヴだ。

土臭くブルージーな“ローラーブレイドレース”からギターを叩いて歌った“フィエスタ”、そしてニューアルバム『bless You!』からの“グッディガール”は原曲でフィーチャリングに迎えたPUNPEEのパートも自分でラップ。代表曲“接吻”は大幅にアレンジを変えたジャズギターのスタイルで披露。曲が終わるたびに大歓声が上がる。“フリーライド”ではシンガロングを巻き起こし、ラストの“JUMPIN’ JACK JIVE”ではブルースハープを吹き鳴らし、スキャットをまじえて歌い、「VIVA LA ROCKのみなさんの一人ひとりのソウルパワーを!」と呼びかけてオーディエンス全員の手拍子とコール・アンド・レスポンスと共に終演。

何年もかけて「ひとりソウルショウ」スタイルで全国を巡り磨き上げてきた田島貴男の「全身音楽家」としての強靭な存在感を見せつけた、圧巻の数十分だった。

テキスト=柴 那典

セットリスト

1. BODY FRESHER
2. ローラーブレイドレース
3. フィエスタ
4. グッディガール
5. 接吻
6. フリーライド
7. JUMPIN’ JACK JIVE

撮影=小杉 歩

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