VIVA LA ROCK 2019

5.5 SUN 18:35-19:20 CAVE STAGE
teto

バンドを始めたきっかけのあの人へ
1年越しに届けられた“あのトワイライト”

VIVA LA ROCK3日目のCAVE STAGE、トリを務めるのは2年連続の登場となるteto。昨年の出演時にはかつてVIVA LA ROCKで観たとあるアーティストのライブがバンドを組むきっかけになったことを話していたが、今年のトリ抜擢はこの1年でのバンドの成長を自ら証明する、格好の舞台になるはずだ。ちなみに、いつものようにリハから全力で、ほぼほぼ本番状態だったことを伝えておく。

メンバーが登場し、早速フィードバックノイズをまき散らすと、“高層ビルと人工衛星”でライヴがスタート。フロアの前方で次々とダイブが起こるだけでなく、フロアの後方まで一斉に手が上がるというのは、去年は見られなかった光景だ。ステージングは相変わらずアッパーそのものだが、演奏はタイトで引き締まっている。続く“夜想曲”はスラッシュメタルのようなナンバーで、曲調もかなりヘヴィだが、漆黒の闇から徐々に光量を増していくような展開がtetoらしい。“暖かい都会から”で再び疾走し、小池貞利が「令和になったんだけど、なんか足りないなって思って……あなたと新しい風吹かせたいと思いました!」と“新しい風”でダイブを決める。ここまでは一瞬。

「ビバラロックを荒らしにきたわけじゃないんですけど、なんか面白いことをやりたいといつも思ってて。ゴールデンウィークは今日以外ずっと家引きこもってました、みたいなみなさんが集まってますね。そういう人たちと一緒に音楽を楽しめたらと思ってるんですよ」と言って披露されたのは、新曲の“コーンポタージュ”。パワーポップ風のキラキラしたミディアムナンバーで、こういうストレートなグッドメロディーの曲をサラッとやれるのも彼らの魅力。さらには、涼しげなコーラスがまさに風のように吹き抜ける“拝啓”へ。この辺りまで来るとステージとフロアの境界すらないようなカオティックな光景が繰り広げられるが、やっぱりそれが最高だ。

アコギを抱えた小池はオフマイクで「ホントはフロアの真ん中まで行って顔を観ながら歌いたいんだけど、禁止されてるので……来年は変えてください。来年もここでいい。場所はホントどこでもいい。ドブでもいい。顔を見ながら歌いたい」と話し、「今日埼玉は光る街だと思うんです」と“光るまち”を歌い始めると、場内はさながらフォーク集会に。途中からバンドが入ると、照明さんのナイスプレイで場内が明るくなって、光の中の大合唱で本編が締め括られた。

アンコールでは小池が「去年もビバラに出させてもらって、バンドを始めたきっかけの人に挨拶する機会があって。ホントは自分が大きくなってあっちから話しかけてもらいたいと思ってたんだけど、でもその人teto知ってるって言ってくれて “あのトワイライト”がすごいですねって言ってくれて……思ってたら意外と届くんですよ。今日その人いないけど、1年越しだけど、聴いてください。ビバラありがとう!」と話し、“あのトワイライト”を演奏。光と光は照らし合って、生命は輝きを増して行く。美しい光景だった。

テキスト=金子厚武

セットリスト

1. 高層ビルと人工衛星
2. 夜想曲
3. 暖かい都会から
4. 新しい風
5. コーンポタージュ
6. 拝啓
7. 光るまち
EN. あのトワイライト

撮影=小見山 峻

FLASH REPORT TOP