VIVA LA ROCK 2019

5.6 MON 12:55-13:35 VIVA! STAGE
The BONEZ

VIVA LA ROCKをライヴハウスに変えた
The BONEZと仲間達の奏でるロック

VIVA! STAGEの3番手に現れたのはThe BONEZ。RIZEとPay money To my Painのメンバーがいるバンドということでスーパーバンドと称されることも多い彼らだが、今日のステージはそんな前情報がどうでもよくなるほど、今ここで音楽を鳴らすことの意味を体現したロックンロールの醍醐味を存分に味わえるライヴだった。

VIVA! STAGEに集まった大勢のオーディエンス達に「The BONEZ」と、自らのバンド名をシャウトさせる。十分に温まったフロアに“Adam & Eve”をドロップし、一気に会場を熱狂の渦へと巻き込んでいく。1曲目からステージにダイブしたJESSE(Vo&G)。「お前ら、これを感じに来たんだろ!」と叫び、ぐちゃぐちゃになりながらもクラウドの中で歌い上げる。「上げろ!」「大丈夫か?」「お前らで助けてやってくれ!」とオーディエンスを気遣いつつ、全員が無事な様子を確認して嬉しそうな笑顔を浮かべる。

「こんなにデカいライヴハウスに呼んでくれて、鹿野さん、ありがとうございます。やれるだけやらせてもらいますんで、どうか楽しんでいってください」と、“Louder”を演奏する前にあくまでも自分たちが音を鳴らす場所はさいたまスーパーアリーナであろうと、どこであろうとライヴハウスであると宣言したJESSE。ステージを所狭しと縦横無尽に駆け回り演奏するバンドの姿を見ていると、不思議と今ここが3万人以上を収容するスタジアムであることを忘れてくる。

「ここまで死なずに生きて、2019年に令和を迎えたみなさんに言わせてください。おめでとう。そんな簡単な道じゃねぇから、人生って。金より大事な愛している人や仲間のために作りました」
今ここにいるということがどんなに奇跡的で、かけがえのないことであるか、The BONEZのメンバーは誰よりもそれを知っている。切なる想いを込めて4人が演奏したのは“LIFE”。エレクトロをベースとした四つ打ちのステディなリズムが心臓の鼓動のように脈打ち、グルーヴしていく。

「みんな、気に入ったバンドがいたら、Tシャツとかタオルを買って、どんどん次の世代にも伝えていってくれ。どこまで体が動けるか、どこまで声が出せる時かわからねぇから、やれる時にやるんだ。本気でやるからよ、ついてこれるか!」
NAKA(G)が奏でるアルペジオと共に始まったのは“Place of Fire”。曲名の通り、ステージ前方から火柱が吹き上がる。そして、間髪を入れずに“Leaf”をプレイ。ここがVIVA LA ROCKで今一番熱いステージであることを証明するように、観客達も拳を突き上げ、四人のエモーショナルな演奏に応える。

ZAXのドラムスが奏でる激しいビートが空気を震わせる「(バンドとして)個人的に大好きな曲」だという“Thread & Needle”。「普段溜まってるもん、全部、歌に出して! 新時代、一緒に生きれて光栄だと思ってるから、一緒に歌おうぜ」というJESSEの呼びかけに応じて、VIVA! STAGE中のオーディエンスが拳を掲げ、喉を枯らさんばかりに歌声を響かせる。

「めっちゃいい顔してるぜ、お前ら!」と、本当に嬉しそうな顔でオーディエンスを見渡す。最後に演奏されたのは“SUNTOWN”だ。最後の力を振り絞って、暴れまわるキッズ達。4人もこの日一番に熱いバンド・アンサンブルでフロアを爆発させる。大切な仲間達へのメッセージとして作られた、この曲がThe BONEZとVIVA! STAGEに集まったオーディエンスとの絆の歌になる瞬間を目撃することとなった。

「今日もし小学生の子どもを連れて来てくれた親がいたら、ありがとうございます! その子たちが中学生とか高校生になって、もしイジメられたとしても、ここにいるお兄ちゃんとお姉ちゃんが味方になってやるから心配するな。これが、ライヴハウスだ!」
曲中、そんな熱い想いを語っていたJESSE。自分たちが音を鳴らす場所がライヴハウスであるという宣言は、自分たちの音楽に熱狂する人々はみんな仲間であるということの言い換えでもある。俺たちがここにいるから心配するな――そんなメッセージをThe BONEZから受け取った気がした。

テキスト=小田部 仁

セットリスト

1. Adam & Eve
2. Louder
3. LIFE
4. Place of Fire
5. Leaf
6. Thread & Needle
7. SUNTOWN

撮影=古溪一道

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