VIVA LA ROCK 2019

5.6 MON 14:45-15:25 VIVA! STAGE
TOTALFAT

自分が好きなものを誇れ
TOTALFATがパンクロックを鳴らし続ける理由

先日、10月22日のライブをもってKuboty(G&Cho)が脱退することが告げられたTOTALFAT。前向きな理由とはいえ、長年にわたって苦楽をともにしてきたメンバーにとって、彼の決断は非常に辛いものだったと思う。しかし、今日のライブからはそんなネガティヴなムードは一切感じさせなかった。それよりも、自分たちのことはもちろん、日本のパンクシーン、音楽シーンをこれからも前進させていこうという壮大かつポジティブなムードに溢れていたのだ。

オープニングから4人の気合いのほどが伝わってきた。<信じる気持ちに限界はないだろ/楽しめ そのままぶつかれ>と歌う“ONE FOR THE DREAMS”は、彼らの熱量に刺激されたかのようにサビのシンガロングでフロアが激震。あまりの揺れで、ビバラの裏名物(だと勝手に思っている)「フロア揺れすぎでレポート書けない」状態に突入。“夏のトカゲ”でも激震は続き、フロアを埋め尽くすタオル回しで早くもVIVA!の盛り上がりはピークに到達……なんて思うのは気が早すぎた。高速メロディックパンクチューン“Good Fight & Promise You”ではこれまでの盛り上がりに加えて、あちこちでサークルピットが発生。TOTALFATにとって2015年以来となるビバラのステージは、この時点ですでに前回を上回っていた。

MCではShun(Vo&B)が、アルバム『Conscious+Practice』を昨年リリースした際、MUSICA編集部から興奮気味にアプローチがあり、「パンクロックを届けようぜ!」と言ってくれたというエピソードを披露。そんな会心作からの“Broken Bones”でサークルピットはさらに唸りを上げる。しかし、TOTALFATのライブは暴れるだけではもったいない。Kubotyのギタープレイも堪能したいところ。彼は“Phoenix”では溜息モノのソロを見せつけ、“X-stream”ではJose(Vo&G)との見事なツインリードを披露。ここだけでもガッツポーズなのだが、その裏で激キャッチーなシンガロングパートがあるんだから困る。

「約束してください! 好きなものを絶対に引っ込めずに、お互い胸を張って生きていきましょう!」というShunの熱いMCのあとにJoseが歌い始めたのは“Place to Try”。彼らがずっと大事に歌い続けてきたこの1曲で、40分間のパンクロックショウは華々しく幕を閉じたのだった。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. ONE FOR THE DREAMS
2. 夏のトカゲ
3. Good Fight & Promise You
4. 晴天
5. Broken Bones
6. Phoenix
7. X-stream
8. Place to Try

撮影=古溪一道

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