VIVA LA ROCK 2019

5.5 SUN 11:35-12:10 CAVE STAGE
w.o.d.

残響鳴り止まぬ
轟音の銃弾爆撃

The Beatlesの“Ticket To Ride”のVanilla FudgeによるカバーをSEに姿を現した、w.o.d.。立ち姿からして、恐ろしいほどキマっている3人。危険ななにかがこれからここで起こる……そんなゾクゾクするほど緊迫感のある空気が充満したCAVE STAGE。1曲目の“スコール”で、轟音の銃弾爆撃とでも形容しようか、3人が奏でる音の塊が質量を持って体を貫いていくような、混沌としていてダーティーな音の銃弾がフロアに降り注いだ。

余計な言葉を放つことなく、“丸い真理を蹴り上げて、マリー。”、“lala”とラウドでヘビーなナンバーを次々と演奏していく3人。容赦もなければ、慈悲もない。圧倒的な音の渦に巻き込まれて、オーディエンスはまるで気でも狂ったかのように暴れている。

「元気っすね。よろしく、VIVA LA ROCK。まぁ、俺も朝からビール飲んできました」と、そっけないながらもフェスを彼らなりに楽しんでる様子を伺わせるひと言をぽつりと放つ、サイトウタクヤ(Vo&G)。カッコよ過ぎるだろ。

中島元良(Dr)のタイトなドラムスがスリリングな空気を加速させていく“Fullface”、サイトウとKen Mackay(B)の奏でるリフがフロアを踊らせるダンサブルな“VIVID”で、最高潮までCAVE STAGEの熱を高めた後、w.o.d.のポップネスを露わにする“ハロウ”へ。サイトウの力強くも優しく静かに燃える歌声に耳を惹きつけられる。

しかし、これほど熱量の高い楽曲をよくも連発で演奏できるものだ。カオスな音像なのにもかかわらず、3人の演奏がダマではなく、それぞれが際立って聴こえてくるのにも驚かされる。

四つ打ちのビートが疾走する“THE CHAIR”でエモーションを爆発させ、オーディエンスを限界まで踊らせた3人。ラストはCAVE STAGEをぶち破らんばかりにパワフルかつグラマラスで、グランジな“KELOID”を「ついてこられるものならついてこい!」というぐらい高い熱量で演奏し、爆音を撒き散らして去っていった。

ただ混沌としているというのではなく、そこに確かに存在するポップネス。ハードロック、パンク、グランジなど幅広い自身のルーツを咀嚼し、新しいオルタナティヴ・ロックのあり方を立ち上げようと試みる、w.o.d.だからこそ鳴らすことのできるサウンドの残響が、いつまでもCAVE STAGEにこだましていた。

テキスト=小田部 仁

セットリスト

1. スコール
2. 丸い真理を蹴り上げて、マリー。
3. lala
4. Fullface
5. VIVID
6. ハロウ
7. THE CHAIR
8. KELOID

撮影=小見山 峻

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