VIVA LA ROCK 2019

5.3 FRI 17:30-18:15 STAR STAGE
ヤバイTシャツ屋さん

偶然でも運でもなく、これは必然。
ヤバTがSTARで花咲かせたバンドマンドリーム

バンドって夢があるよなあ。3年前に一番小さいステージに初登場したバンドが、今やメインステージのトリ前まで上り詰められるんだから……いや、これは違う言い方もできるな。ヤバTって恐ろしいわ。実力と人気があるとは言え、一気にここ。しかもこの出順に異論のある人なんて1人もいやしないでしょう。STARには人がわんさか詰めかけている。

多くの観客の注目が集まるなか、3人がオープニングナンバーに選んだのは“あつまれ!パーティーピーポー”。もう最初の1音目から演奏が前のめりだし、観客も前のめり。鬼キャッチーなメロディは、煽らずともみんな大合唱。“かわE”だってそう。歌うどころか、口に出すだけで楽しい<かわF>やら<恥ずかD>といったフレーズが人々の心をがっちり掴む。

バンドのイメージ的に勢いとキャッチーさに注目が集まりがちだが、もちろんそれだけではここまでは来られない。3人のアンサンブルがしっかりしてるからこそ、キャッチーなメロディがしっかり映える。今日演奏しただけでも、“Universal Serial Bus”や“L・O・V・Eタオル”といったコロコロとテンポが変わる曲があるが、これらを涼しい顔でグルーヴさせるのはそんなに簡単なことではない。こやまがMCで話していたように「“あつまれ!パーティーピーポー”の一発屋」でヤバTが終わらなかったのは、こんなところにも理由があると思う。が、彼らの音楽を前にしてこんな理屈をこねくり回すのはとっても野暮。

それにしても、人が多い。MC中にステージへ手を振る観客に対して、「あ、気持ち悪いんで止めてください」とこやまが返すぐらい多い。それを実感できたのが“L・O・V・Eタオル”。こんなに人がいたかというぐらい大量のタオルが旋回。2019年のヤバT人気を象徴するような光景だった。

終盤、こやまは自分たちのことを例に挙げて「バンドは夢がある」と感慨深げに話していたが、ヤバTは常に音楽と真剣に向き合って、キャッチーを追求し続け、全国でライブをしまくってきたバンド。そんな彼らがこのステージに立ったことはある意味必然だったのかもしれない。かつて、Hi-STANDARDに憧れて楽器を手にしたキッズが激増したように、ヤバTのコピーがしたくて男女混合バンドを組むパターンが増えてもおかしくない。「俺らだってヤバTになれるかもしれない」彼らはそう思わせてくれるバンドだし、そう思わせてくれるぐらいバンドをやる喜びに満ち溢れたライブだった。

2016年、ビバラに初出演した時の1曲目にプレイしたという“喜志駅周辺なんもない”を聴きながらもう一度思った。ああ、バンドって本当に夢があるなあ。

テキスト=阿刀“DA”大志

セットリスト

1. あつまれ!パーティーピーポー
2. かわE
3. Universal Serial Bus
4. Tank-top of the world
5. DANCE ON TANSU
6. リセットマラソン
7. L・O・V・Eタオル
8. 鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック
9. 無線LANばり便利
10. ヤバみ
11. ハッピーウェディング前ソング
12. 喜志駅周辺なんもない

撮影=釘野孝宏

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