KEYTALKが魅せた「3分間の魔法」

会場内で2番目に大きなステージであり、STAR STAGEとは違って窓ガラスから自然光が入ってくるVIVA! STAGEは、屋内でありながらも野外フェスの雰囲気が味わえる貴重な場所。超快晴のVIVA LA ROCK初日、降り注ぐ光とステージに設置された人形のオブジェがどこか幻想的な雰囲気を醸し出す中、勢いよく飛び出してきたのは若手ライブバンドの筆頭株、KEYTALK!

インディーズ時代には「床でライブ」と銘打ったフロアライブのイベントも開催していた彼らは、とにもかくにも盛り上げ上手。めまぐるしく入れ替わる寺中友将と首藤義勝のツインボーカル、ステージ上を縦横無尽に動き回る切り込み隊長の小野武正のアクションを耳と目で追いかけているだけでもとにかく楽しい。八木優樹のドラムソロから「かかってこいやー!」のアジテートに続いて披露された最新シングルの“パラレル”、サンバ調の“fiction escape”という流れに対しては、オーディエンスのリアクションも抜群だ。

 

“太陽系リフレイン”では曲中で小野がステージ袖に引っ込んだかと思うと、ギターソロパートになった途端にダッシュで再登場して湧かせ、ラストは“夕映えの街、今”で狂乱のままにフィニッシュ。四つ打ちを主体としたバンドが飽和状態の中、それでもKEYTALKが頭ひとつ抜きん出ているのは、巧みなステージングに加え、どの曲もコンパクトな中にキャッチーなメロディーと美味しい展開をギュッと詰め込んでいるからこそであることを再認識。これぞ、2014年の日本のロックシーンにおける「3分間の魔法」の最良形だ。素晴らしい幕開け!

(金子 厚武)

セットリスト

1.コースター
2.sympathy
3.トラベリング
4.パラレル
5.fiction escape
6.MURASAKI
7.MABOROSHI SUMMER
8.太陽系リフレイン
9.夕映えの街、今