途中下車なし、一本勝負!

トリックとポップの真髄に魅せられた!

2日目のCAVE STAGE、トリを飾るのはパスピエ! 静かに“MATATABISTEP”と曲名だけを大胡田なつき(Vo)が告げ、ライヴはスタートした。相も変わらず激ウマかつ抜群のグルーヴィーな演奏隊に合わせ、大胡田がマイクスタンドを器用に操りながら、艶やかな声を乗せていく。それに合わせて踊りまくるオーディエンスの姿は、まるで極彩色の照明の中にいる大胡田に操られているかのようで、とても不可思議な光景が広がっていた。

“とおりゃんせ”を終えた後のMCで、「フェスのステージでのトリっていうのは、今日が初めてなんです。最後まで楽しんでいってね」という言葉が大胡田から飛び出す。ここからパスピエは、持ち前のグルーヴを全開に生かした “シネマ”、“ワールドエンド”を繰り出していく。そんな中、「声出せるの?」という大胡田が投げかけると、フロアからは地鳴りのようなレスポンスが! それに応えるように「じゃあついてきて」と返すと、“チャイナタウン”からの“S.S”というパスピエ最強のライヴナンバーが繰り出された。「S.S!!!!」というオーディエンスの叫びがフロアには響き渡り、灼熱のフロアで本編は終了した。

すかさずオーディエンスから上がった「アンコール!」の声に応えて彼らが登場すると、成田ハネダ(Key)は、「僕がバンドを始めたきっかけは、フェスに行ってバンドをやろうと思ったからで。で、今こういうステージに立ててます。それは本当に皆がこうして観てくれてるからです。本当にありがとう」とフェスへの想いを語り、アンコール曲の“最終電車”へ。ポップシーンのど真ん中にも届き得る、ポップスとして完成度が高いこの曲は、CAVE STAGE2日目のラストにふさわしい感動的なフィナーレとなった。

(黒澤圭介)

セットリスト

  • 1. MATATABISTEP
  • 2. フィーバー
  • 3. とおりゃんせ
  • 4. シネマ
  • 5. ワールドエンド
  • 6. チャイナタウン
  • 7. S.S
  • アンコール. 最終電車