窓から天使が降りてきた夜
VIVA! STAGE3日間の大トリを飾るのは、フィッシュマンズ! 今回のメンバーは茂木欣一(Dr&Vo)、柏原譲(B)に、HAKASE-SUN(Key)、木暮晋也(G)、勝井祐二(Vl)、原田郁子(Vo)の6人。2012年9月に行われた東京スカパラダイスオーケストラ主催のイべント「トーキョーナイトクルージング」以来、約1年半ぶりのライヴとなる。
大歓声に包まれてメンバーが登場すると、まずはステージの前に一列に並んでご挨拶。勝井の優雅なヴァイオリンの調べに乗って始まったのは“MELODY”だ。軽快なビートとHAKASE-SUNの小粋なピアノのフレーズに乗って、茂木と原田が<MUSIC COM’ON ROCKERS!>というお馴染みのフレーズを繰り返して盛り上げると、続いて披露されたのは“MAGIC LOVE”。レゲエのリズムが印象的なこの曲では、柏原が心地よい低音を鳴らし、その上に各楽器がカラフルな音色で絡む。心震える瞬間が何度も訪れる。
ゆったりとしたリズムの上で原田が名曲“いかれたBaby”を気持ちよさそうに歌い上げると、ここで一旦茂木によるMC。「ヴォーカリストであり、ソングライターの佐藤伸治が亡くなってから今年で15年になりますが、曲はいつまでも色褪せないし、今でも誰かにとっての大事な曲になると思うので、ステージに立つといつもワクワクします」と語り、さらに「フィッシュマンズの大ヒット曲を演奏します。そんなにヒットしてないけど、今夜みんなの心に必ずヒットすると思います」との紹介から、“ナイトクルージング”へ。<窓は開けておくんだよ いい声聞こえそうさ>の箇所では、まるでVIVA! STAGEに3日間日差しを送り続けた天窓から頼りない天使の声が聞こえてくるような気がした。
ふんわりとしたシンセの音色が場内を包み込み、パーカッションの音と共に<I Think Weather,I Think Weather>の声。そう、今夜のクライマックスは“Weather Report”だ。ますます太さを増す柏原のベースと茂木のドラムによる大きなグルーヴに乗って、木暮のギターがサイケデリックな壁を生み、勝井のヴァイオリンがどこまでも飛翔していく。いやもう、本当に気持ちよ過ぎ。そして、ラストはギターのカッティングとオルガンをフィーチャーしたファンキーな“感謝(驚)”で華やかに締め括り。メンバーが盛大な拍手で見送られ、最高にハッピーな雰囲気の中、VIVA! STAGEの3日間が幕を閉じていった。VIVA LA ROCK! VIVA LA FISHMANS!
(金子厚武)
セットリスト