「ぶっ飛べ、埼玉!」

NICO Touches the Wallsの痛快な爆音

ステージに登場した光村龍哉(Vo&G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)、対馬祥太郎(Dr)の4人が、まずドラムセットのところに集まって一発気合いを入れる。光村はギターを掻き鳴らすと「イエァー!!」と叫びを一閃。熱量の塊のようなサンボマスターのステージに続いて登場したNICO Touches the Wallsが見せたのは、胸がすくようなロックバンドのエネルギーを爆発させるステージだった。

ハイテンションなサウンドで一気にフロアの温度を上げる “バイシクル”でライヴはスタート。続く、“手をたたけ”では、オーディエンス全員がハンドクラップ。「気持ちいいね!」と光村も叫び、サビでは「せっかくだからみんなで歌いますか」と、大合唱の輪を作り出す。

ストレートなバンドサウンドだけでなく4人のプレイヤーとしての力量を示す自在な曲展開も見せた彼ら。“泥んこドビー”では対馬のドラムを軸にサイケデリックな興奮を作り出し、“武者諸法度”では坂倉のスラップベースを見せ場に、刺激的なセッションを繰り広げる。

「久しぶりに凄まじい人のいる前で演奏してます。気持ちいいです」と、光村。続いては、「今年の8月19日にバンド二度目の武道館ライヴが決定したんです。前回の武道館は4年前だったんですけど、その時は力不足でチケットが売り切れずに、悔しい思いをして。バンドとして自信をつけてリベンジを果たそうと思っていて。その思いをストレートに歌った曲です」と、この日が初披露となる“天地ガエシ”をプレイする。

今日限りのアレンジということで、新曲は対馬が鍵盤ハーモニカを、光村と坂倉と古村がアコースティックギターを抱えてスタートし、途中からバンドセットに突入する新機軸のスタイルで演奏。カントリー/ブルーグラスを彼ら流にアレンジし、どんどんスピードアップしていくこの曲は、バンドの新しい代表曲になりそうな気がする。

続いては、「ぶっ飛べ、埼玉!」と光村が叫んで全員がジャンプ、コールアンドレスポンスも実現して会場がひとつになった“THE BUNGY”。そして最後は“ローハイド”でライヴは終了。汗まみれの笑顔でライヴを終えた4人に、大きな歓声が沸き上がっていた。

(柴 那典)

セットリスト

  • 1. バイシクル
  • 2. 手をたたけ
  • 3. 泥んこトビー
  • 4. 武者諸法度
  • 5. 天地ガエシ
  • 6. THE BUNGY
  • 7. ローハイド