BOOM BOOM SATELLITES、降臨

BOOM BOOM SATELLITESがステージに登場すると、「降臨した」という表情が相応しいような気がしてくる。ちょっと仰々しいが、それほどまでに彼らのライヴは神々しく、それでいてドクドクした生身の生命力のようなものを強く感じさせるのだ。

1曲目は重厚にアレンジされたビートルズの“HELTER SKELTER”。中野雅之(B&Pro)はフライングVを高く掲げ、オーディエンスを挑発する。「BOOM BOOM SATELLITESです。よろしくお願いします」の一言を挟み、サポートドラマー福田洋子のしなやかで力強いドラミングから始まった“MORNING AFTER”では、今度は川島道行(Vo&G)がステージを駆け回り、客席を煽っていく。跳ねたビートが推進力となる“BACK ON MY FEET”の後半、ブレイクからスネアのロールをきっかけに曲が爆発すると、それに合わせて川島のヴォーカルもますます熱を帯び、オーディエンスの反応もより熱狂的になっていく。

浮遊感のあるAメロと、スケール感のあるサビとの対比が印象的なサイケデリックナンバー“100SUNS”から、中野と福田が向かい合うようにして音を出し合い、トランシーな空間を作り出すと、そのまま天まで駆け上がっていくようなサウンドスケープを聴かせる“FOG BOUND”へ。両手を広げて音に身を任せる中野の姿は、まるでアンダーワールドのカール・ハイドのようだ。そして、ラストは狂乱の“Kick It Out”! その音の暴力性を表すには「殴られるような(もしくは、曲名通り、蹴り跳ばされるような)」という言い方がぴったりだ。

MCは最初の挨拶と、「ありがとうございました、BOOM BOOM SATELLITESでした」という最後の挨拶のみ。デジロックもエレクトロもEDMも超えて、ニヒルで無口な男たちがひたすら磨き上げてきた音の塊を目一杯に浴び続けた40分間だった。圧巻。

(金子厚武)

セットリスト

  • 1. HELTER SKELTER
  • 2. MORNING AFTER
  • 3. DIVE FOR YOU
  • 4. BACK ON MY FEET
  • 5. 100SUNS
  • 6. FOG BOUND
  • 7. Kick It Out