the band apartの
「大切なこと」
SEと共に、荒井岳史 (Vo&G)、川崎亘一(G)、木暮栄一(Dr)、そして原昌和(B&Cho)の4人がステージに勢いよく現れる。ステージ上の天窓から夕暮れの光が射し込むVIVA STAGEに登場したのはthe band apart。爽やかなハーモニーと切れ味鋭いアンサンブル、そして濃厚なキャラを持った、一筋縄ではいかないバンドの代表格だ。
昨夜の前夜祭ではVIVA LA GARDENに設置された野外ステージ「GARDEN STAGE」でアコースティックセットのライブを繰り広げた彼らだが、この日はもちろん、ガッツリとラウドなサウンドを響かせるバンドセット。“higher”、“photograph”というエネルギッシュなナンバーを立て続けに披露すると、“I love you Wasted Junks & Greens”ではシャープなフレーズでオーディエンスの温度をさらに上げる。
「今日は、鹿野の誕生日パーティーなんですかね? 鹿野と友達になって、ずっとバーベキュー好きのオヤジだと思ってたんですけど、こんなに大きいイベントやるなんてね。これからは『鹿野さん』って呼ばなきゃいけないかなって。金の匂いがするからね(笑)。そう、人生で大切なことが二つあります。金と女。以上です」
と、原。迫真の演奏とは裏腹に「ボヤキ節」のような原のMCの可笑しみも、ファンはよく知る彼らのライヴの魅力のひとつ。「14~5年やってるバンドなんですけど、俺もライヴで大事なこと、ようやくわかりました。でっかい声出したほうがいいってことがわかった」という荒井のMCの率直さとも好対照だ。
ちなみに、原のMCは前日のアコースティック・ライヴにも触れ、「鹿野が前説みたいなのしてくれてたんですよ。『今から素晴らしいアコースティックを~』つって。でも、ライヴ中に『おい、鹿野、いるか』って言ったら、シーンとなって。あいつ、煽るだけ煽って、帰りやがった(笑)」と、観衆の笑いをとっていた。
中盤では5月21日にリリースされる新作『BONGO e.p.』から新曲“The Base”も披露。縦ノリの直情的な疾走ビートに変幻自在のリフが絡まるサウンドで、新たな興奮の形も見せていた彼ら。終盤には昨年リリースされたアルバム『街の14景』から、新たなバンアパの代表曲となった“夜の向こうへ”。そしてラストはハッピーに突き抜ける“星に願いを”。最後には原と木暮がパートを交換して大団円のエンディング。パワフルでチャーミングなステージだった。
(柴 那典)
セットリスト
1.higher
2.photograph
3.I love you Wasted Junks & Greens
4.The Base
5.coral reef
6.夜の向こうへ
7.星に願いを