ウォールオブデス!盆踊りモッシュ!

テロバンドがVIVA! STAGEを完全掌握

4月にまさかの(?)メジャーデビューが発表されたキュウソネコカミ。本フェスの主宰者である鹿野淳いわく「テロバンド」を一目見ようと、前方ブロックは開演前からかなりの人口密度だが、火に油を注ぐがごとくゴールデンボンバーの“女々しくて”がSEで流れ、その時点ですでに大盛り上がり。“良いDJ”、“サブカル女子”、“ファントムバイブレーション”と、「それ言っちゃう?」な歌詞、乗りやすいビート、キャッチーなメロディの曲を次々と披露するごとにオーディエンスの数が増えていく。す、すごい…。

“DQNなりたい、40代で死にたい”では、「ヤンキー怖い!」の大合唱の中、ヤマサキセイヤがオーディエンス上をサーフしてフロア中央のPA宅前までたどり着くというハチャメチャっぷり。そして、彼らの前に出演したSiMに託されたという、おなじみのウォールオブデス!さらにさらに“KMDT25”ではサークルモッシュならぬ盆踊りモッシュを巻き起こしたりと、もはややりたい放題。“お願いシェンロン”ではあまりの盛り上がりっぷりに人が倒れ、一時演奏をストップするも「がんばれー!負けるなー!」とエールを送って、さらなる一体感を生み、最新曲の“ビビった“まで一気に駆け抜けた。

 

とにもかくにも、今勢いという意味ではナンバー1と言っても過言ではないだろう。今の若いオーディエンスが求める要素を見事なまでに持ち合わせているバンドだ。もちろん、「テロバンド」と「ネタバンド」は紙一重であり、かつてのセックスピストルズしかり、最近のBiSしかり、そういうバンドは最大瞬間風速を記録した後、短命に終わると相場は決まっている。では、キュウソネコカミはどうなるのか?それは現時点ではわからないが、もうしばらく音楽シーンを引っ掻き回すことは間違いないだろう。追いつめられて窮鼠猫を噛んだバンドが、ネズミの王国を作り出すなんてファンタジーも、ちょっと見てみたいような気もする。

(金子 厚武)

セットリスト

1.ネコ踊る
2.良いDJ
3.サブカル女子
4.ファントムヴァイブレーション
5.DQNなりたい、40代で死にたい
6.KMDT25
7.お願いシェンロン
8.ウィーワーインディーズバンド
9.ビビった