「ベストアクトをぶんどりにきました！」

――THE ORAL CIGARETTES

下克上の強熱ロック!!

VIVA LA ROCK初日のCAVE STAGEも後半戦に突入。リハから完全に臨戦態勢のTHE ORAL CIGARETTESは、早くも本番さながらの演奏を披露した。途中で山中拓也(V/G)は、「お前らキュウソ●×△行ったらしばきあげるぞ！」と話すと、オーディエンスからは大きな歓声が。VIVA LA ROCKのステージでも、オーラルはオーラルのまま、最高に挑戦的で野心的だ。

いざ本編に突入すると――「VIVA LA ROCKのベストアクトをぶんどりにきました。ダークホース、THE ORAL CIGARETTESはじめます！」の言葉の後に間髪入れず“mist…”の強烈な鋭いギターリフが響くと、フロアは一瞬で点火。その後も“逆恨み小僧”、“N.I.R.A”と、矢継ぎ早に彼らのライヴではお馴染みのナンバーが放たれる中、 彼らがフロアへ投げかける言葉にオーディエンスが間髪入れずにレスポンスを返すという、最高のシチュエーションが続く。「お前らがここにいてくれるから、約束します。VIVA LA ROCKの中で一番カッコいいステージを作ります！」と言って披露された新曲は、彼ら特有のクセになるギターリフと刺激的な展開はそのままに、今までになく広がりとフックのあるサビのメロディが紡がれ、今後彼らのアンセムとなることを予感させた。

そしてオーディエンスも「待ってました！」と言わんばかりの“大魔王参上”で、フロアは最大の一体感をみせる。そこかしこから「大魔王参上！」のシンガロングが上がり、山中の「全員で作るんです！」という言葉に呼応して、手を繋ぎ踊るオーディエンスの姿がフロア中に存在していた。「俺が発信しているだけじゃないってわかりました。お前らがいてくれたからだよ、ありがとう！」という山中の言葉が、その盛り上がりと一体感をすべて表していた。

ラストには、「VIVA LA ROCKで一番カッコいいキラーチューン！」という言葉と共に、“Mr.ファントム”を披露。最後の最後までオーディエンスを掴んで離さないオーラルの姿がここにあった。何度もライヴ中に「後ろまで見えてるよ」と言っていた山中。彼らの快進撃の裏には、フックに富んだ切れ味鋭い曲群だけではなく、オーディエンスと共に歩んで行こうする、今日のライヴでも見せた姿勢があるのだろう。その確かな歩みを証明する、会心のアクトだった。

（黒澤圭介）

セットリスト
1．mist…
2．逆恨み小僧
3．N.I.R.A
4．新曲
5．大魔王参上
6．Mr.ファントム